海外情勢

韓国、コロナ対策で自宅隔離5万人に手厚い支援

 自治体、食品やマスクなど無料配布

 韓国では新型コロナウイルス感染対策のため自宅隔離を義務付けた5万人以上に対し、自治体が食品やマスクなどを無料で配布し、支援金も支給している。買い物のための外出をやめてもらい感染を広げないようにする狙いで、手厚い配慮は市民にも好評だ。

 ソウル近郊の富川市は飲料水やインスタント麺、レトルトご飯に缶詰、果物、菓子といった食品に加え、体温計や消毒剤、マスク、ティッシュペーパーも支給する。

 職場で感染者が出たため夫が自宅隔離となった同市の女性は、大きな箱や水が届いて驚いたとブログで振り返る。「オンライン(通販)を利用できない人は、食べ物がなくなれば外出するしかなくなる」と指摘し、市の対応を称賛している。

 感染症予防法が定める生活支援の一環で、居住外国人にも支給される。支援物資の内容は自治体ごとに異なり、一部では自宅にある品物が重複して届くのを避けるため、総額の上限を超えない範囲で別の品物と代える「オーダーメード型」の利用も可能。上限は10万ウォン(約9000円)が一般的だが、21万ウォンの自治体もある。自分でオンライン注文をしたい場合は現金振り込みも選べる。

 韓国政府は今月から国民を含む海外からの入国者に2週間の隔離を義務付けた。保健当局によると、国内で感染者と濃厚接触した人も含め、9日現在の隔離対象者は約5万4600人に上る。

 入国者を除く隔離対象者には生活支援金も国が支給。1人暮らしだと約45万5000ウォン、5人以上の世帯には約146万ウォンとなる。対象者には保健所が毎日連絡し健康状態をチェック。スマートフォンのアプリも活用して外出しないよう監視し、連絡が付かない場合は警官が出動することもある。(ソウル 共同)

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