(株)ファーストキャビン(TDB企業コード:989272856、資本金11億9500万円、東京都千代田区紀尾井町3-6、代表岸田登氏)と関係会社4社は、4月24日に東京地裁へ自己破産を申請した。

 申し立て代理人は、佐藤明夫弁護士(東京都港区北青山3-6-7、佐藤総合法律事務所、電話03-5468-7860)ほか7名。

 当社は、2006年(平成18年)7月に設立した簡易宿泊施設の企画、経営業者。「FIRST CABIN」(ファーストキャビン)の屋号で高級感を持たせたカプセルホテルを企画、運営し、2019年末時点で直営・FC合わせて全国に約26店舗を展開。サラリーマンなどの日本人客を中心に、インバウンド需要による外国人需要も大幅に増加、2017年3月期の年収入高は約15億7900万円を計上していた。

 しかし、近年は民泊施設の普及などで宿泊施設間の競合が激化、当社においても急激な店舗拡大に対して、稼働率が計画を下回るなど業績悪化を招き、人件費が負担となったこともあり、営業段階からの赤字に転落していた。また、近時は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、インバウンド需要が低下、国内旅行客の減少の煽りを受け、当社の稼働率も10%程度にとどまるなど急速に事業環境が悪化。各ホテルを休業させる一方で、スポンサーによる資金支援も検討したが、事業再開のメドが立たないことから頓挫、資金繰り悪化が顕著となり、今回の措置となった。

 関係会社の(株)ファーストキャビン開発(TDB企業コード:265021637、資本金1000万円、東京都千代田区紀尾井町3-6、代表来海忠男氏)、(株)ファーストキャビン京都嵐山(722021383、資本金3000万円、同所、同代表)、(株)ファーストキャビン京都三条(041020684、資本金3000万円、同所、同代表)、(株)ファーストキャビン柏の葉(078024194、資本金1000万円、同所、同代表)も同様の措置となっている。

 負債は5社合計で約37億円が見込まれる。
 なお、FC店においては、各社の判断でホテルの営業を再開する可能性がある。