こんにちは。早大卒シャブ太郎です。

 

私は覚醒剤取締法違反により逮捕、起訴、そして有罪判決を受けたにもかかわらず旧来の職場に留まれた幸せな人間です。

社長、K取締役から保釈中にS病院に送付された手紙を公開します。

※今回が初犯では無い事は会社には隠しております。

 

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<社長より>

 

A君(私)

まずはお疲れ様。きっと人生初のご経験に戸惑いを感じたのではないでしょうか。

経験はきっとこの後の未来に於いて良くも悪くにも成り得る事だと思いますので、是非とも良い経験になさる事を願うばかりです。

私事ですが、私自身も大昔に若気の至りで二日間留置所暮らしをした思い出があります。

今では自分の中で良い経験となっています。

これは社内に於いて何度か言った記憶がありますが、一度起こってしまった事は、何ら責を問うものではないが、再発防止と改善に導いてくれる糧となります。

したがって、(会社名)では再発クレームがほぼゼロ!!...と思っています。

私は人様を諭すに資する者ではありませんので、私の体験談だと思って下さい。

貴君が全快され戻って来る日を楽しみにしています。

今の時間をどうぞ大切に。

2016年7月11日

(社長の名前)

 

 

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<取締役より>

A君へ

 

手紙ありがとう。

以前にも増して元気そうな様子なので、まずは少し安心しています。

日頃、ビジネスメールは当然ながら作成しているのですが、手紙を書くことは本当に久しぶりで、手紙本来の作法には合っていないかもしれないが、書いてみた次第です。

 

さて、いただいた手紙にあった今回の件についての会社での対処について社長と協議を重ねました。

少し時間がかかってしまい、申し訳ないね。

結論から言えば、けじめをつける為にも一旦は解雇または退職とさせてもらいますが、即時再雇用とさせてもらいたいと考えています。但し、本件については、社内では一切公表しませんので心配はしないでください。

 

以前にA君から退職の申し出があったとき、経済的な理由を聞いていましたので、一旦退職をされた上で、退職金を受け取り、様々な清算をして上で再出発してもらえればと思っています。

現時点においてどの様な判決が出されるのかは定かではありませんが、執行猶予を頂けるのであれば、執行猶予中は1年毎の有期契約とし、執行猶予終了後は通常の無期契約に切り替えるつもりです。

これも一切社内には公表しません。

今までと同時に働くことができると思います。

この件について何か正式な書類が必要であれば連絡をください。準備します。

また、仕事の内容については実際に復帰するときに相談したいと思っています。

A君の手紙にあった様な業務上に制限が生じる可能性があるのならば、それをできる限り回避できるような仕事のやり方を考えていきたいと思っています。

 

T社長から手紙を預かりました。どの様な内容なのか気になりますが、私は内容をお聞きしていません。

私がこれまで記憶、説明してきた内容と相違がないと良いのですが。

 

話は変わりますが、A君が個人で借りていたアパートはどうしていますか。

解約や荷物の処分など必要であれば連絡をください。(係長の名前)と私だけで対応します。

他の人は入れずにやりますので、大丈夫です。

また、その他必要なことや心配なことがあれば連絡をください。

遠慮はいりません。

 

いずれにしても落ち着いたらゆっくり話がしたいと思っています。

おそらくT社長も同じだと思います。

 

会社では「病気で入院療養中」としていますし、本件を知らせてある人も限られていますので、心配はしないでください。

今はしっかり治療をして、再出発を目指してください。

会社で会える日を待っています。

 

また、今後の予定がはっきりしたら連絡をくれるとありがたいです。

 

必要なことがあったら、本当に遠慮なく連絡ください。

 

2016年7月15日

(取締役の名前)

 

 

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私は従業員数連結500名の会社で働いています。

私はその500人の中の一人です。そのただの一社員に対して、これほどの救いを頂きました。

本当に幸せです。

 

私は入社2年目で子会社の買収プロジェクトを任され、残業のほとんどないホワイト企業ですが、夜20時までは毎日、K取締役と同じ建物(取締役は1階、私は3階)で仕事をしていました。

K取締役は努力する私を見ていてくれたのだと思います。

K取締役は手紙に書いて頂いたように、おそらく私が両親から見放されているかと思い、アパートの片付けまで手伝って頂けるような事でした。

 

社長も私と同じヘビーメタルが大好きで、喫煙室でご一緒させて頂いた時には、音楽の話から始め、仕事の話もしていました。

社長も私が子会社買収プロジェクトと子会社の再建を手掛ける私を見ていてくれたのだと思います。

社長はタイ・バンコクに在住しているのですが、私がバンコクに出張で行った時には、プライベートでジャズの生演奏が聴けるパブに連れて行ってもらったりしていました。

 

会社への復帰が無ければ、執行猶予判決が得られなかったかもしれません。

会社、特に社長とK取締役には感謝してもしきれません。

私はこの会社に骨をうずめ、貢献していきます。

 

読んで頂き、ありがとうございました。