12歳石博士、「好き」をビジネスに 鉱石トランプ考案

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皆木香渚子
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 新型コロナウイルスの影響で休校だった2020年春、名古屋市千種区の長坂歩さん(12)は、子ども向けのビジネス講座に参加した。課題は「好きなものをビジネスにする」。長坂さんにとっての好きなもの――。それは「石」だった。

 いつから好きだったのかは「記憶にない」。家族旅行で寺を訪れた時の写真には、当時1歳の長坂さんがうつむく姿で写っている。母親の舞由子さんによると、境内の石に夢中だったという。「どの写真も下を見ているのは、石で遊んでいるからなんですよ」

 小学6年生だった昨年春、教育企業「CEOキッズアカデミー」の講座に参加した。「好きなもの」からの連想で考えついたのは鉱石の写真と説明入りのトランプを作ることだった。

 昨秋、そのアイデアが講座主催のビジネスコンテストで優勝。実用化を目指し、今年4月末から「石博士トランプ」と題してクラウドファンディングhttps://camp-fire.jp/projects/view/361063別ウインドウで開きます、支援は6月15日23時59分まで)で資金を集めることになった。

 トランプを作るなら、ジョーカー2枚を含め54種類の鉱石が必要になる。石は好きだが、これまで集めることはなかった。

 昨年9月、出雲大社島根県)を旅行したとき、大社近くにあった石屋に立ち寄った。目を留めたのはアメシスト。紫色が濃い石がいいと思って何個か選んだ中に「高さと大きさの相性がよい」一つを見つけた。30分ほど迷い、一度は店を出たが、やっぱり欲しくなり、帰りに手に入れた。これが長坂さんのコレクション第1号になった。

 その後も掲載する石の「仕入れ」に取り組んだ。名古屋市内で鉱石を置いている店は、おそらく全て回った。沖縄まで仕入れに行ったこともある。

 トランプ作りで特に難しいのが撮影だ。トランプには人工的にカットされた石ではなく、自然界にある姿を載せたい。でもゴツゴツした原石は、ピント合わせが難しい。初めはスマートフォンで撮っていたが、一眼レフに替えた。

 舞由子さんがきれいと言う写…

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