薬物問題、日大は隠蔽否定 空白の12日間「反省、自首させようと」
日本大学アメリカンフットボール部員が大麻取締法違反と覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕された事件を受け、日大は8日午後3時から東京都内で記者会見を開いた。林真理子理事長は冒頭、「多大なご迷惑とご心配をおかけしたこと、また、正式な説明に時間を要したことも心から深くおわび申し上げます」と謝罪した。主なやりとりは以下の通り。
◆
林理事長「ガバナンスが旧体制と変わらないと評価、残念」
林理事長「先般、メディアの取材に対し、違法な薬物は見つかっていないとした私の発言により、混乱を招いてしまいました。その発言をした時点では、学生寮で発見されたものが違法な薬物なのかどうか警察が確認を進めており、本学としては確認の結果について連絡を受けていないという意図の発言でした。言葉足らずで唐突であったと反省しております」
「昨今、理事の中に旧体制の勢力が残っていて、私がお飾りの理事長であるという報道がなされているようでありますが、そのような評価をとても残念に感じております。私はこれまで日本大学の卒業生であることに誇りを持って生きて参りました。しかしながら数年前、大切な存在である母校に対する社会の信頼が、不祥事によって地に落ちることとなりました。その時に経験したくやしさ、歯がゆさ、憤りは昨日のことのように思い出されます」
「在校生や卒業生にかつてのような誇りを取り戻して欲しいという一心で、微力ながらこれまでの経験を生かしてお役に立てればと理事長に就任しました。人事を刷新し、志を同じくする理事や教職員たちとともにこの1年、ガバナンスの確立に全力を尽くしてきました。皆で作り上げてきたガバナンスに対し、相変わらず欠如しているとか、旧体制と変わらないと評価されることは、まことにつらく残念でなりません」
「私が理事長を引き受けた時の志である、在校生および卒業生の誇りを回復し、日本大学に対する社会からの信頼を取り戻す、そのための取り組みを最後までやりぬく覚悟に変わりはありません。改革の再出発としてまず今回の問題について真摯(しんし)に取り組み、大学を挙げて原因究明と再発の防止に全力で尽くします。また、今後も警察の捜査に全面的に協力していく所存です。最後となりますが、今回の事案でご心配をおかけしている多くの皆様に改めておわびを申し上げます」
酒井学長「不審物の発見時点、違法薬物と確証なし」
酒井健夫学長「厳正に受け止め、深くおわびを申し上げます。この問題につきまして、本学が把握している経緯を説明させていただきます。まず6月30日、警察から、アメリカンフットボール部学生寮で、大麻が使用されている可能性があるとの連絡がありました。その日のうちに副学長と競技スポーツ部長が学生寮を視察いたしました。違法な薬物と思われるものは発見には至りませんでした」
「7月6日に再度、警察より同部内での大麻疑惑について指摘があり、その際に大学で調査させてほしいと申し出ました。警察からもまず大学の調査に委ねると言われましたので、同日中に学生寮で11名の持ち物検査と3名のヒアリングを開始しました。7月7日から27日までの間に寮生のヒアリング23名、持ち物検査16名、元寮生のヒアリング10名の調査を行いました」
「7月6日の持ち物検査では…