Loading...

TOP > おでかけトピック > トピック情報
EVENT

賞味期限間近の菓子や飲料が2~9割引きに、神戸に初の専門店オープン 塗装会社が“異業種参入”

ツイート facebook シェア

更新日:2023年08月25日

  • 賞味期限と参考価格を記した値札。捨てないためにどんどん下げる

  • 開業準備を進める中根喜一郎さん(左)と川脇龍二さん=神戸市須磨区白川台4

 賞味期限切れやその直前の食品を市価の2~9割引きで販売する店舗が29日、神戸市須磨区にオープンする。外壁塗装のしらかわ工芸社(神戸市須磨区)が開設。子どもの頃に家計が苦しく、「学校給食のない夏休みが嫌いだった」という同社会長の中根喜一郎さん(64)が一念発起した。神戸初の業態で、食品の廃棄を減らし、生活困窮者の支援につなげる。(高見雄樹)

 店名はエコイート神戸白川台店。同社の本社横で開業する。広さは約40平方メートル。菓子や飲料など約200種類をそろえて値札には賞味期限と価格を明記し、場合によっては無料で配る。
 エコイートは、NPO法人日本もったいない食品センター(大阪府摂津市)と会員企業が協力して開設、運営。同法人は食品メーカーから引き取った廃棄予定の食品を、エコイートで販売したり、子ども食堂などの慈善団体や生活困窮者へ分配したりしている。
 新店舗はエコイートとして全国18店目。兵庫県内では、尼崎、姫路市に各1店があり、設置の動きが広がっている。新店の利益は、支援が必要な生活困窮者に食品を届けるための輸送費などに充てる。
 中根さんは幼少期に父の会社が倒産し、愛知県から神戸市に家族で移った。「貧しく、給食のない夏休みはカツオの干物を削って空腹をしのいだ」という。
 その後、父がしらかわ工芸社を創業。中根さんが後を継ぎ、社員25人の会社に育てた。2017年に社長を長男に譲り、「お世話になった地域に恩返しする方法を考えていた」。
 同法人の活動を知ったのは20年。たまたま同社常務の川脇龍二さん(44)が同法人の高津(こうづ)博司代表理事と中学の同級生で、生活困窮者の支援と食品ロスの削減を両立させる理念に共感した。新店は、川脇さんが責任者となり、社員が交代で店番をする。
 中根さんは「地域に食品ロスの問題意識が広がるきっかけになれば。子どもが興味を持てる仕掛けも考えたい」と意気込む。
 高津代表理事は「神戸市内への出店を求める声は以前から強かった。店を拠点に、地元の社会福祉協議会などと連携を深めてほしい」と話した。
 営業時間は午前10時~午後7時(当面は年末年始のみ休業)。神戸市営地下鉄名谷駅からバス「東白川台」行きで終点下車、徒歩1分。1台分の駐車場がある。同店TEL078・792・7808

明日どこ行く?

SEARCH
話題のキーワード
ページトップへ