ルイス・ハミルトン マクラーレン F1アブダビGP 結果
マクラーレンは、F1アブダビGP決勝レースで、ヘイキ・コバライネンが11位、ルイス・ハミルトンはリタイアだった。

予選で圧倒的なパフォーマンスをみせ、ポールポジションからスタートしたハミルトンだったが、右リアブレーキのトラブルによりリタイア。ヘイキ・コバライネンも11位でポイント獲得はならなかった。

しかし、マクラーレンはコンストラクターズ3位でシーズンを終了。シーズン序盤のパフォーマンスを考えれば、信じられない改善を遂げたといえる。

ルイス・ハミルトンはドライバーズランキング5位、ヘイキ・コバライネンは12位でシーズンを終えた。

ヘイキ・コバライネン (11位)
「スタートよく飛び出して、複数のマシンをパスすることができた。残念ながら、マシンパフォーマンスは僕の好みとは異なっていたうえ、燃料負荷が大きく、一気に順位を上げるのは難しかった。だが、最後の最後までファイトしていたつもりだ。ピットストップ後、KERSが機能しなくなったため、KERSなしの状況に合わせて自分のスタイルを変えなければならなかった。これで2009年シーズンが終わった。こうして今振り返ると、全員がいい仕事をしたからこそ、コンストラクターズ部門3位を獲得できたのだ、と改めて感慨深いところがある。ひとえにチームワークのおかげだ。絶対に諦めることなく努力を続けて、状況を好転させた。2005年以来久しぶりにフェラーリより上位でシーズンを終えたチームの一員であったことが嬉しい」

ルイス・ハミルトン (リタイア)
「スタートは良かったが、すぐにブレーキに何らかの問題があることに気づいた。3〜4周すると、原因は右リアブレーキパッドだと分かった。そのせいで、セバスチャン(ベッテル)やマーク(ウェバー)とのギャップを拡大することができなかった。問題が悪化してしまい、チームからラップ終わりでレースを終えるよう無線で指示を受けた。金、土曜とパフォーマンスが良かったにもかかわらず、レースではそれを再現できなかったのが悔しい。だが、得てしてこういうことが起こるのもレースだ。とはいうものの、我々は自らの努力を誇りに思っていい。今シーズン序盤の状態を見て、マクラーレン・メルセデスがコンストラクターズ3位になるなどとは、誰も予測できなかったはずだ。いい意味でも悪い意味でも、いろいろなことがあったシーズンだった。来シーズンの開幕が待ち遠しい。もう一度タイトル争いをしてみせる」

マーティン・ウィトマーシュ(チームプリンシパル)
「ルイスは、週末を通じて素晴らしいドライビングを見せてくれた。『週末』ではなく、『2009年シーズン』と言い換えた方がいいかもしれない。今日はわずか5周ほどすると、右リアブレーキパッドに異常摩耗の兆候が現れた。おそらくは材質不良だと思うが、安全のため、レースを止めさせなければならなかった。それまでどのセッションでも圧倒的に速かったのに、本当に残念だ。厳しい状況に追い込まれながらも、チーム一丸となって難局に立ち向かったシーズンだった。その努力にふさわしい結果にならなかったので、失望感を覚えているが、ポジティブに考えられる理由はいくつもある。最大の成果は、シーズンを通じてハードワークを続けた結果、MP4-24を大幅に進化させられたこと。開幕当初はまったく振るわないマシンだったが、最終的には2勝をはじめ、印象的な入賞がいくつもあった。昨日は初開催のアブダビで、ライバルを叩きのめしてポールポジションを獲得している。メルセデスV8が、シーズンを通じて非常に素晴らしい性能を発揮してくれたことも、今季の成果のひとつだ。ところで、MP4-25の開発熟成作業は、すでにかなりのレベルまで来ている。これも今季の成果であり、すでにMP4-24よりも速い。今日から2010年開幕までに、いっそうの進歩をもたらすことができる、と確信している。もう一度今週末に話を戻そう。ヘイキは不運の犠牲になってしまった。予選では、彼自身はまったくミスを犯さなかったにもかかわらず、18番グリッドからスタートすることになった。レースでも、見事なスタートを決めてくれた。押すべきところと引くべきところを心得た、見事なドライビングだった。おかげで初回ストップで、キミ(ライコネン)の前に出られた。ポイント上、敢えてフェラーリの前に出る必要はなかったのだが、フェラーリとはコンストラクターズ部門3位を争っていたので、先行していた方が心理的にもプラスになる。その後はKERSのトラブルでパフォーマンス上、バランス上のハンディを負いながらも、的確に対応してくれた。フェラーリを破ってコンストラクターズランキング3位を獲得した。これは我々のプライドの問題だ。同時に、この偉業達成に大きく貢献してくれたマクラーレン・メルセデスのスタッフひとりひとりに労いの言葉を贈りたい。フェラーリは、我々の宿敵であり、来年も彼らの前でフィニッシュしたいと考えている。フェラーリとの戦いが、3位争いではなく、チャンピオンシップ争いになることを望んでいる。最後に、アブダビGPが素晴らしいイベントになったことを、関係者の皆さま全員に感謝したい。来年3月、同じ湾岸地域のバーレーンでも同様のスタイルでイベントが開催されると期待するとともに、そのレースを楽しみにしている」

ノルベルト・ハウグ(メルセデス・ベンツ・モータースポーツ・バイスプレジデント)
「アブダビGPは、今年もドラマに溢れたフォーミュラワン・シーズンのフィナーレにふさわしい。ルイスは、金曜日から一貫して素晴らしい走りを見せていただけに、あの終わり方は残念だ。トラブルの原因は、ブレーキパッドと判明している。いずれにしても、ルイスは金曜、土曜のフリー走行で早くもライバルを圧倒し、予選でもそのパフォーマンスを繰り返した。ヘイキは、ギアボックス交換ペナルティもあって18番グリッドからのスタートというハンディを負った。また、レース中に運動エネルギー回生システム(KERS)にトラブルが発生し、レース半ばでKERSのスイッチをオフにしなければならなかった。スピード面で妥協を強いられたことは間違いない。今シーズンを振り返ると、前半のマクラーレン・メルセデスはまったく振るわなかったが、そこからよく巻き返したと思う。特にルイスは、後半7戦で4度のポールポジションを獲得した。エンジンに関しては、たったの一度もトラブルはなかった。メルセデス・ベンツは、6台のマシンにエンジンを供給し、ブラウンGPとジェンソン・バトンがそれぞれタイトルを獲得した。改めて祝福の意を表したい。この事実は、メルセデス・ベンツにとっても非常に心強い。寝る間も惜しんでハードワークを続けてくれたウォキング、ブリックスワース、シュツットガルトの全スタッフには、感謝の意を表する。彼らの努力はすでに実を結んでいる。将来、さらに大きな実がなることを期待している。最後に、非常に特別なイベントとなったアブダビGPのウィナー、セバスチャン・ベッテルとレッドブルに『おめでとう』と申し上げよう」

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カテゴリー: F1 / マクラーレンF1チーム / F1アブダビGP