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twnovelかぁ

 Twitter小説なんて面白い試みだなあと思うのですが、既にRSS配信に特化してしまっているTwitterアカウントのTLに違うの流すのもどうかなあなんてためらってたりする今日この頃。
 かと言って、別のアカウントわざわざ取る気にはならないしねえ。
 どうしても今は「twitterで」という現象が先走ってるから、他のミニブログサービスにあまり波及してないですね。単純に母数の差かもですが。でも他のサービスの方がいろいろやりやすいんだよなあ。twitterはごちゃごちゃになり過ぎて。それが良さでもあるけど。

 私は(フォロー数0でも分かりそうなもんだが)ついこの間まで自分のTLを一度も見たことがなかった。いや、見ても自分のしか出て来ないのでさして問題じゃないんだけど。コミュニケイション側面は@で検索すればいいやと思っちゃってる。フォローはBot(とかRSS自動配信とか)に使うものだという気がしている(←誤った知識)。てゆーか、これからはなるべく1日に1回は覗くようにします。全く会話が成立してなくてすんません。

 短文化された小説という試み自体に興味はあるんですが。
 昔、某掲示板で100文字小説を連載していたこともあるので(しかもBL)。
 当時はケータイで空き時間にぼけーっと書く感じだったんですが、twnovelもケータイ小説もなんか最近、変に「様式美」が出来上がっちゃってるというか。どうも参入しづらい雰囲気になってますね。それがどうもなぁ。
 思案中。

 ちなみに一番のお気に入りtwnovelはこれ。きゃああああ! きゃああああ! きゃあああああ!!! シェルスクリプトコマンドの本を読んでるだけで楽しくなってしまうような私には目の毒。はぁはぁ。かっこえー。やべー。はぁはぁはぁはぁ(←重症)。

 こっから下はなんとなく思いついちゃったこと。
 ミニブログサービスもそれぞれ個性があるなあと。
 擬人化の国の人なものですから。つい。

 全部に公平に投稿してるうちになんとなく感じたことでしかないんで、いろいろ誤解があることはあらかじめご了承くださいなのですよ。
それぞれ個々人(?)ともっと深くお付き合いをすると、また感想も違うと思うんです。はい。

・twitter
 噂好き。なんでもかんでも広めて(ReTweet)しまうクセがある困りもの。クラスでひそひそ話をしても、twitterの耳に入ったら最後、あっという間に広がってしまう。
 人当たりのいい子だけど会話の流れが今イチ読みきれない子。
 と言っても嫌われてはいない。どっちかというと諦められている。
 はてなハイクとはなんとなく仲がいいらしい。本人曰く。

・wassr
 さすらいの転校生。小中学生と同じ学校に3年以上いたことがない。そのため話す言葉にいろんな土地の方言が混ざってたりする。さみしがり屋。いろんなグループに屈託なく首を突っ込む。最初はうざがられ、やがて諦められ、そのうちいろんな仲介屋として頼られるようになる。本人はもちろんそんな生活が結構楽しい。いい意味でお節介。

・tumblr
 究極のコレクター。学校の未使用ロッカーを見つけると勝手に使う。いろんなグッズを溜め込んでる。便利なものからくだらないものまで。誰かにそれを使われても別に文句は言わない(むしろ喜んでる)。なので何か困ったこと(モノで解決しそうなこと)があると、みんなひそかにtumblrに相談する。たいていなんとかなる。でも本人はあまり目立ちたくない。淡々と集めるだけ。

・はてなハイク
 クールで皮肉屋さんのツインテール科学部員(部員1人)。常にあやしい実験をしているらしいとの噂。しょっちゅう理科室を爆発させたり溶解させたり炎上させたりしているらしい。やたらとニッチな知識が豊富。基本的には無口。twitterとは通じるものがあるらしい。何もかも「らしい」でしか語られないのは、本人じゃなくてtwitter経由でバラまかれてる話だから。
 (っていうかこれははてな自体のイメージです。なんとなく。)

・Timelog
 みつあみメガネっ子委員長。広く浅くいろいろ知ってる頼れる子。いいんちょには出来ないことは何もないと言われる超ジェネラリスト。ただ、出来過ぎるためにとっつきにくいと思われがち。いつも忙しい。きっちりしてる。まさに委員長になるべくして生まれたような子。それゆえ、毎年委員長に推薦されてしまうのが本人にはちょっぴり悩みのタネ。

・serend
 クラスの女子一大派閥のリーダー。とってもにぎやか。おしゃべり大好き。おしゃべりというより雑談が好き。たむろってるのが好き。集ってるのが好き。なにげに情報通、ただし女子っぽいもの限定。ひとりでぽつねんとしている人間が許せなくて誰でも巻き込む。仲間意識も強いが基本はとにかく構いたがり。

 …なんかTimelogは絶対いいんちょだと思うんだ。なんとなくね。

2011.9.24追記
 追記するほどのことじゃないかもだけど、Timelogはシステム変わってジェネラリストじゃなくなりました。……まあ乱立しているから個性出すのは悪いことじゃないけど、いいんちょじゃなくなっちゃったのです。ただ、今のTimelogは生徒会っぽい感じがするので、生徒会長に昇格でしょうか(勝手に)。
 そしてserend……終わっちゃいました。ホント終わると思わなんだよ。女子のキャッキャウフフに特化していた方が生き残れたよーな気もするんだがな……

固定リンク / 2010.3.27


ナイトウォッチ三部作

 パラ読み。

●ぼくらは虚空に夜を視る / 上遠野浩平

 うわっなんとまあ随分と古くさいシチュエイション持ち出して来ましたね…。なんだこの典型的なセカイ系は。茫然通り越して笑えて来ませんか。
 今いる世界は冷凍睡眠している人類が見ている夢で、その外側の本当の世界では一部の戦闘員が敵と戦い人類を守ってますかそうですか。
 ………………。
 シリーズ全部見てみます。むーん。あまり本を読まないロウティーンのコが読む分にはきっと面白い。うん。きっとね。これだけで終わるとはどうも思えないので。イントロダクションに過ぎないんじゃないかと邪推。

●わたしは虚夢を月に聴く / 上遠野浩平

 おっと、ずっとこんなテンションか。む。
 世界は同じ舞台だけれど、超内側にいる人からの視点と、超外側(ウサギロボット萌え〜)からの視点と。世界のパーツだけみたいな感じがするなあ…。それにしても「VS Imaginator Part IV」ですかい。モロですね。作品本体じゃなくそんな一文で、何となく氷解してしまった気分になっちゃったりするのも、リンクの楽しさか。
 それにしても。主役のはずなのに、世界から見れば蚊帳の外な弥生ちゃん。こういう登場人物多いんですけどね、上遠野作品には。

●あなたは虚人と星に舞う / 上遠野浩平

 三部作と呼ばれるのは何故だろう。まだ明らかに途中ですのに。

 時間軸的に一番早いのがこれなので、世界の成り立ちみたいなものを主人公視点で一緒に「知っていく」展開があるためか、先の2冊に比べて世界観の把握がし易かったです。異世界モノは(その世界から見て)異世界(から来た)人を主人公に持って来るというのは色んな意味でセオリーですねえ。ただ、この物語で知りえた世界は、全ての世界のうちほんの一部だろうな、と思わせる展開なわけで。主人公が「そこ」から離れられないんだから仕方ないんだけど、視野が狭い狭い(…とはいえ、それも「把握し易さ」にはプラス方向に働いているのですが)。

 人類の天敵と設定されているそれに、悪意があるんだかないんだか判らないですね。どうなんだろう。それは明かされないまま終わるのかも。まさにセカイ系デスネ。
 てゆーか終わりが見えないなあ。天敵さんが飽きるのを待ってるだけなんでしようかひょっとして。

 どうでもいいメモ
・あれが最強なのかこの世界
・「尚登」の最後の…『例の表情』は、死神と関係あるんでしょうかね?? 存在のありようは似ているとは思うのですが。世界を保全する者、という意味では。死神は、誰かを待っているわけではないのだけれど。

固定リンク / 2010.3.20


モバイルソーシャルアプリを作ってみると

 感じていることをテキトーにパラパラ書いてみる。

 今、ソーシャルアプリはプチバブルを迎えている気がします。Web開発系は何処もかしこもソーシャルアプリの開発者を求め始めてる気がする。プログラマとしてはとっくに定年を迎えているはずの自分にすらヨソからお声がかかるんだもんなあ。
 …とはいえ、ショージキ、なんでそんな人員募集するんだろうって気もする。APIの仕様はふつーに公開してるしサンプルはいくらでもあるし、プログラマセンスあるヤツだったらベンキョーすりゃ誰にでも出来るじゃん…。流行に乗ってソーシャルソーシャル言いたいだけちゃうんかと。

 いやまあそれはいいとしてさ。

 現在、自分の関わってる案件でオープンソーシャルに参入しているのはmixiとモバゲですが、この2社間でもソーシャルに対する考え方の違いがかなり大きくて、見ているとなんとなく面白かったりします。

 mixiは先日ガイドラインを改定しました。
 前からそうでしたが、mixiは元々、リアルでつながりのある人たちに対してネット上でコミュニティを提供する、という、ソーシャル原理主義が強いサイトです。同級生なんて仕組みからしてそうですし、この辺の説明(※今はなくなったのでリンク削除)とかでも、
 他のSNSとは違って、ネット上だけの繋がりではない実際の友人、知人をマイミクシィとしているユーザーが大半であることに注目していただきたいと思います。
 …とかね。ただ、実際のユーザーから言わせるとこれって「…はい?」と小首を傾げたくなりますけど。本気でそんなこと思ってンですかね。つながってる人たちのどれだけが「ネット上だけの繋がりではない実際の友人、知人」なのかなんて、調べたことあるのデースカ?(微笑) mixiで数友大歓迎しているアカなんていっくらでもあるんですけどネー。

 で、新ガイドライン、元々ユーザーが持ってるソーシャルグラフをブッ壊すようなことをするな、という辺りの締め付けが強まる改定になったなーと。
 公式コミュニティでアプリのためにマイミク募集させるなとか、過度な招待特典をつけるなとか。

 ただねえ。この方針と、mixiそれ自体に招待なしに入れるようになっちゃったこと、矛盾してる気がしますけど。どうなのその辺。ネット外のつながりを最初に持っている人でないと入れない、というのが、mixiのソーシャルグラフの原点じゃなかったんでしょうか。このご自慢のソーシャル原理主義を破壊する方向だと思うんだけどなあ。
 ま、ゲームプロバイダ側では、ゲーム目当て「だけ」で入る層とかを取り込めることにはなるので、歓迎するんでしょうけどー。

 で。
 翻ってモバゲー。
 元々無料ゲームが出来る会員制サイト、という方向で運営しているモバゲーのソーシャルゲームには、ソーシャルグラフに対する過敏さはほぼゼロに近い。mixiとは真逆です。ゲームユーザーに対する一斉通知手段もあるし、書き込み系の審査を全部モバゲー本体に丸投げ出来る仕組みもあるし、それなりに使いやすいSandbox環境もあるし、APIが重い(ユーザーが多いんだから仕方ないけど)ことを除くと、なんていうか、モバイル専攻開発者には泣きたいほど作りやすいです(笑)。
 ただ、利用出来る文字種とか枠組みの厳しさは強烈です。とはいえ、モバイル開発者だったら現時点ではどーせしなきゃならない範囲だから理に適ってはいる。
 やっぱ「わかってる」んだなモバゲは。モバイルユーザーのやり方も、モバイル開発者のやり方も。

 mixiはFacebookになりたいのかも知れない。モバゲはガラパゴス上等で日本のモバイルを食い尽くしたいのかも知れない。どっちが正しいとかじゃなく、ああそうなのねえ、という、それだけなんだけど。

 両方を展開してますが、売り上げはモバゲの方がいいみたいです(私は純然開発者なので詳しい数字までは知らない)。モバコイン使うことに抵抗ないんですよね、モバゲユーザーは。アフィリエイト慣れしてるからかな。
 あ、あと、mixiポイント決済には上限があるから、てのもあるけど。てゆーか、今ドキあの制限はどーかと思うけど。mixiは課金で稼ぐ気がないんすかね。今のモバイル業界、ぎょっとするほど高額商品売れる世界ですよぉ。意外に。てかJava/BREWアプリだって単体500円以上がごろごろあるのに。
 mixiは日本のモバイル業界の現状にわざと耳ふさいで「聞ーこーえーまーせーんー」言ってるように見えることがある。時々。アプリからメッセージ送るインターフェイスはあるのに日記書くインターフェイスが(公式には)ないとか何事よ。SNSなのに。裏技はあるけど(※これはPC用。でもモバイル版もどうすればいいのかは想像力働かせれば分かる。で私の関わった案件にはガンガンつけてる)。

 てなもろもろがあり、開発始まった時はもちろんmixi先行でしたが、現状の機能追加はすべてモバゲ先行で進んでます。露骨です。mixiごめんなさい。えへへ。

 mixiがこういう方向に締め付けを強くして来たのにはやっぱりそれなりに理由があるわけで。

 ゲーム開発者側もね。結局このソーシャルバブルに乗っかって、いかに自分のゲームの(見た目の)会員数を水増しするか、とか、ケータイキャリアを通じてという決済の他に、SNS決済という新たな決済チャンネルが増えただけ、とか、そういう意識でいるやつは割と多いんだろうなと思うのですよ。私が関わってる案件も含めてね。
 ソーシャルグラフを利用したアプリという新たなスキームなんかじゃなくて。ただ単に、ユーザー任せのお友達紹介の代わりにアクティビティフィードで宣伝が出来るって思っているだけなのかも、みたいな。
 自分の運営サイトじゃ人の呼び込みに限界あるから、SNSの中に自社製品をねじ込みたいだけだ、とか。
 だからあんまり「新しさ」はないんですよね。やってることに。ただ、SNSというプラットフォームがあるから目につきやすいってだけで。それ以上でも以下でもない気がする。
 他人の何かにちょっかい出す、とかいう仕組みだって、ソーシャルグラフがなくたって出来ていたことなんだもの。日本のモバイル業界ではね。ただ、各サイトでバラバラにやってるとあまり効果的じゃない、SNSだとバイラルが作りやすい、ってだけで。
 いま関わってる案件も、結局、独自サイトでやっていたことをそのまんま移植しているに近い。元々、日本のケータイモバイルゲーは、「(ゲーム内の)友達と何かする」という仕組はふつーに組み込まれてることが多いんですよね…。
 別にソーシャルなんて言葉でことさらに言い立てる以前から、日本のケータイゲーム、特にWebゲーは(独自の)ソーシャルグラフを作ろうと躍起にやって来ていたわけだから。今更感。

 まあそれとは別に。
 会員数の水増しは結構ヒドいかも知れないなと思うなー。自社サイトとmixiとモバゲと、全部の延べ会員数で宣伝してるんだもんなー。実体はだいぶ重なってるっしょー。これでGREE始まったら、ミリオンアプリ続出じゃないですかねー(にやにやにやにや)。

 ゲームサイトをやっていると、ユーザー同士のトラブルやケンカを目にする機会も増えます。私は純然開発者なので直接は見聞きしないですが、サポート部隊とかの話もちらほら聞こえて来るので。
 で。1つ、「運営側」の内実を書いてみますと。

 コミュニティ(外部のものもSNS内部のものも含め)が「荒れる」のは割と歓迎してます。

 もちろん、原因がバグや不具合ならちゃんと対応しようと努力はしますが、それ以外の、ユーザー同士の小競り合いは割と「楽しみに」されているかも。
 というのも、そういう小競り合いが起こるってことは、その人たちがゲームに対してアツくなっている証拠だからです。
 マイナスだろうとプラスだろうと、ゲームに対してアクションを起こしてもらえるユーザーは神様です。
 退会してすら、ブログに「ナニが面白くない」とつらつら文句を並べてもらえると結構嬉しかったりします。グーグルさんで検索された時に、出て来る検索結果の数値がまた1つインクリメントされるワケなのでー。
 運営にとってコワイのは、何も言わずに退会されること。メンバーが減ること。なんの痕跡もウワサのタネも残さずにノーリアクションで消えられること。
 ゲームの中のアイテムに過ぎないちっちゃなデジタルコンテンツの所有権を巡って、取った取られた詐欺だ違う取引だとぎゃあぎゃあ騒がれると、それだけ「固執」してもらえるアイテムは幸せだなあと嬉しくなっちゃったりする。

 …なんか、そういう思考回路っぽいです。今関わってる案件の人たちは。
 なので。荒れているから運営なんとかしろ、みたいなことは期待しない方がいいかもです。アツくなればなるほど、運営の思うツボなのですよ。きっとね。くすくす。くすくすくすくすくすくす。

 ……つか、うん、なんでこんなにケータイゲーマーってスルースキルが低いんだろうとは確かに思うね。2chの平均年齢が30代〜40代だっちゅー調査結果見たことあるけど、なんかケータイゲームにコミットするようになってから実感として分かるようになって来た。暴言だろうが罵倒だろうがサラっと流せる2chの世界はやっぱり「大人」だなぁと。
 ケータイの中だけが全世界で、ケータイでされた否定は現実に生きる自分自身に対する全否定だと、そんな風に考えちゃう子が多いんだね。おじさんおばさんはリアルの世界が忙しいから、パケットの中で起こることになんてそんなにやたらと構ってられないすよ。

固定リンク / 2010.3.13


ixenは最大の長所を捨てに走ろうとしているのだな。

 ケータイSNSの収益の大きな柱はアバターアイテムだった時代がありました。
 …まあ、今もウェイトは大きいのでしょうけれども。
 でもixenの場合は、このアバタの扱いが、他の大手SNSとずいぶん違うなあと感じていたのです。

 アバタはそのSNS内でユーザーの「顔」になるものですし、あちこちのコーナー毎に自分を表現するアイコンとして出て来ます。だから、ゲーム目的で入ったユーザーも、アバタをそのまま放置せず、登録時にもらえるポイントで何かしら「着替えて」いたりする。

 ixenの場合、アバタアイテムである洋服類を買うための専用サイト内通貨に「ボタン」というものがある。
 このボタンの価値が極端に低い。「アルバイト」と称するFlashゲームで、元手とか友達紹介とか他サイト登録とかしなくても稼げる。すごい人だと1日で5,000ボタン近く稼いでる。ちなみにお洋服の価格帯は私が見る限りだと500〜900ボタンくらいが一番厚い感じ。
 ちなみに自分のような忙しいめ社会人で、昼休みとか通勤時とか最大限活用すると1日300ボタンくらい。
 …まあどっちにしても、何の元手もなく時間さえかければサイト内通貨が手に入ってしまうわけで、これじゃアバタアイテムのために課金する人はいないだろうなあって。

 その影響もあって、ixen内のコミュやゲーム内で、初期アバタのまま放置している人というのは本当に滅多にお目にかからない。割と、誰でも、それなりに凝ったコーデばっかり。他SNSだと初期アバタふつーに見かけるのですけれど。
 ixenが特に女子向けに敏感に作られているのを差し引いたってすごいと思う。この手のモノにほとんど興味のない私ですら、初期アイテムは1つも身に着けてないんだからナ。

 で、このボタンの稼ぎ方をixenが変えることにした。ま、ふつーの企業なら無理もないでしょう。当然ユーザーはブーイングだけど、まあ営利企業だからね。

 でも。
 このボタンインフレがもたらすアバタの自由度の高さは、ixenというSNSにとっては最強の武器なんじゃないかなーともまた思っていたのですよ。

 他のゲームについては、やらなきゃやらないで損もしなきゃ得もしないですが、アバタについてはサイト内で何処でもついて回るものですから、自己主張の1つとして何とかしたいというニーズが多いのは当然なのだと思う。
 SNS各社はそれを見越してアバタアイテムを集金につなげようとしているわけですし、ixenもそうなんですけども。

 SNS内におけるアバタっていうのは、そのコミュニティ内での一種のライフライン。一番ベースになる部分。そこで、大した元手も苦労もなく楽しむことが出来れば、ixenという世界に留まること自体の楽しさも多分、増すんだと思うのです。
 いいコーデが出来たら見せびらかしたいから日記書くとか、コミュ行くとか。
 そういう流れで、なんか他のゲームやってみようかしらとか。
 私みたいに、サイト自体のコンセブトに良さを感じると、担当者にお布施してみたくなるやつとかもいるし(笑)。

 私は、このixenのアバタシステムの敷居の低さは戦略だと思っていたのですよね…。特に女子に向けた。
 女子アピール強烈ですよ、この仕組み。「アルバイト」に熱心なのは女子ばっかだし。
 あと、アバタ以外の課金システムがえげつないから、というのもあるし。前も書いたけど、ラブシチュとかね。
 あと、他のモバイルSNSでは登録時に300〜500くらいでポイントをもらえたりするのが常套ですが、ixenサイト内共通通貨であるBerryの登録時付加はたったの20。おまけにモバゲのように、ただクリックすればポイントが入る系の地道な稼ぎ手段が全く存在しない。
 つか、もう少し新規登録者優遇してもいいじゃんか(笑)。サイト自体に慣れてもらう、楽しみ方を見つけてもらうための元手すら与えないんだココ、と思って笑えましたけど。
 あるいは、ボテン君とかラブシチュとか、入会するための目的を持ってもらえるだけのコンテンツを揃えているから、という自負の表れなのかなーと思ってたら、両方あっさりモバゲオープンプラットフォームに進出して来た。なんかもう。生ぬるい笑いが。自社会員増やす気が失せてるのかひょっとして。

 まあそれはそうとして。
 アバタ課金ってSNSにとってはエンゲル係数みたいなもので、そっちにポイントを回さざるを得なくなってしまうと他に手が回らないから。
 現実社会だって、「消費者」として市場を回すのはエンゲル係数が低い人なんじゃないかなと。
 ixenって戦略的にユーザーのエンゲル係数を低くしようとしているんだと思っていたんですけどねえ。

 なんかねー。
 最大の長所を捨てに走ろうとしているとしか思えないなあ。
 SNSはユーザーに時間使わせてナンボじゃないんですかねえ。特にこういう基本無料系は。
 モバイルSNSは乱立しているのに。Titty(アバタシステム)の、この敷居の低さはixen最大の美点であり特徴だと感じていただけに。ixenというサイト自体にいてもいいかと思わせるというか。
 残念だなぁ。もったいないねえ。
 インフレ止めたいんだったら、1日のアルバイトに上限つけるとかの段階的な措置は出来なかったのでしょうかねえ…。

2011.6.4追記
 ixen、6/30でクローズです。ポータルとしてやって行けなくても、ボテン君にせよラブシチュにせよ、コンテンツは悪くなかったと思うのですが、丸ごと道連れに(オープンプラットフォームで展開しているものも含めて)クローズするというのはちょっとびっくりだ。
 他のオープンプラットフォームに進出したのは、プラットフォーマーではなくコンテンツプロバイダとして生きて行くつもりの方向転換だとばかり思っていたのに。
 趣味で物書いてる端くれとしては、特にラブシチュ(のシナリオたち)が、このまま全削除で終わってしまうというのはちょっと悔しい。ライターさん、本当にいいもの書いてる人いたのになあ…。残念すぎる。

固定リンク / 2010.3.6


1CD Linux体験記

 Knoppix起動しませんでした。しょぼん。恐怖の(?)file system not found. 検索はしてみたけど、原因千差万別みたいでどれやってもダメだった。CD-Rもメーカー変えて焼き直してみたんですけどねえ(SONY, TDK, maxellと2枚ずつバラで買ったら店員さんのレジ打ちの手が一瞬止まっていた。同じ製品6枚と打つつもりでアテが外れたのかも。変な買い方してスミマセン)。
 しかし、dma enabledでDVDドライブまでは見つけてくれてるのに、その直後にfile system not foundってどーいうことだろう。むー。今キミが発見したそのドライブを使えばいいじゃないのさ。とペンギンに向かって怒ってみても仕方ないけどさ。
 /dev/hdaをマウントしようとしてコケてる感じがするのですが、はて手動マウントするとしてもデバイス名はどれなんだろ??
 むう。最近Unix系はcd とlsとtail -fくらいしか触ってないんだよ。mountとか咄嗟に出て来ねー。
 DellのDimension 4500Cで、解像度が変とはいえ起動実績があるので、3100Cでも動きそうなんだけどなあ。ただ最近、この子はDVDディスクの出し入れでブルースクリーン出すのがクセになっちゃってるような子だから、ドライブの相性が良くないのかしーら。

 で。
 Ubuntuを試した。こちらはLive CDで何もしなくても一発OK。……なので、Knoppixはまあいいかと思うことにした。
 PPPoEも設定してみました。呆気ないくらい簡単につながってしばしネットサーフィン。無問題。とはいえ、Live CD起動ですから設定を保存してないですけど。FDDついてないしな。次に買い換える時は久々に空きベイにFDD突っ込もうかな? このマシンは今更投資する気にはならない。

 主目的は、Windowsがコケた時のデータレスキューOSとしてなのです。
 UbuntuをLive CDで動かして、現在のWindows領域をさくっとmountして(と言ってもクリックしただけ。今のデスクトップLinuxはすごい楽になったねえ)、ファイルが見られることを確認。あとはUSBメモリでも買って来て退避すれば、Windowsが動かなくなってもデータだけは救えるかも知れないわけです。HDDが無事なら、ですけど。
 毎日DVDでバックアップは一応取っているんですけどね。念のため。
 日本語ファイル名が危ういという記事を何処かで見たから、ファイル名変更した方がいいかな(元々、あまり日本語名は使わない方ではあるのですがね)。

 動かしてみて気づいたけど。
 もうWindowsに固執する必要がなくなってるぞ、私。
 文書とベクタ画像はOpenOfficeだし、ラスタ画像はGIMPだし、ブラウザは火狐メールは雷鳥。だからUbuntu起動してもアプリ環境がほぼ一緒だったよ。
 問題は、火狐でFlashプラグインが動かなかったこと(ごめん、ふつーに入っているものだと思ってた…そう言えばプラグインなんでしたっけFlashって!! 今やネット=動画=flvみたいな世界だから)と、テキストエディタが半角カタカナを扱えなくて、バイナリだから開けません、と言われたくらいかな(かつて小説の演出として半角カタカナを使っていた作品があった)。
 Windows系のテキストエディタはバイナリでも無理矢理開くじゃないですか、文字化けだけど。せめてどうしてあれが出来ないんだろ。
 あ。書きながら思い出した。viなら行けるのか? 次起動したら試してみます。

 ……ふと思ったのですが。
 Intel Macを買って来て、Boot CampでWindowsを入れて、さらにUbuntu入れたら、デュアルブートじゃなくてトリプルブートが出来る……?
 ……あ、本がある
 と思ったら(この本では)LinuxはLive CDか。というか、Boot Campが元のMac含めて2OSしか管理出来ないのね。なるほど。
 Win/Mac/Lunuxのトリプルブート行けたら最強だねえ。もし出来るんならIntel Macに乗り換えてもいいかも、マジで。Boot Campが3OS以上を扱えるようになれば夢ではなくなる?

固定リンク / 2010.2.27


遅まきながらデトロイト・メタル・シティの映画とかアニメとか

 映画なんだから仕方ないのか、タレントイメージだから仕方ないのか、根岸のダークサイドがことごとく端折られていたのはなんかもったいないねえ。
 クラウザーは本人の「夢」とは別物かも知れないけど、SATSUGAIや恨みはらさでおくべきかなどの「名曲」の数々は根岸本人が作詞したものだし、最近はメイクしてなくてもちょっとしたことですぐキレてクラウザーモードになっちゃうし、演じているというよりはアレもまた根岸の「素」なんだというのが私の解釈だったのですが。コミック見ている限りは。
 なんで根岸がクラウザーをそもそも始めたんだろうって疑問になるよねぇ、この作り方。
 原作が短いエピソードの積み重ねだから選び方次第だと思うのですが、時系列捻じ曲げてでも「影武者」エピソード出したら良かったんじゃないかなあ。「こんなのクラウザーじゃない」ってキレる根岸は割と象徴的だと思っていたのですが。自分が本物だという根岸のプライド。SATSUGAIだって自分の「作品」だというプライド。根岸帰って来いヨなんてお涙チョーダイ系の手紙で復帰するよりもよっぽど「らしい」と思ったんだけど。
 てゆーか梨元さん(資本主義の豚)がいないー!!(…この物語の作り方だと出し辛かったんだろうけどな…)

 しかし、「甘い恋人」カジヒデキさんにやってもらったんだ…。キモイキモイ言われる不遇な曲なのに。あああ。ご苦労様です。いい感じにキモく仕上がってますねえ(松山ケンイチさんの内股とセットになると、ですが)。
 作詞若杉さんってことはわざわざフルコーラス作ったのか…(笑)。すげえ。

 で、翻ってアニメの方はほぼ原作忠実のハチャメチャさだ。根岸とクラウザーで声優が違うってスゴい。気合の入れ方が(笑)。映画側のキャストやスタッフがチョイチョイ(予告とかで)出ているのもなんかくすぐられますねえ。最初から実写とアニメをセットで押して行くの前提でいろいろ作られていたんだろうなあと思ったり。
 とはいえ、…これ地上波じゃ絶対無理ですね(苦笑)。元はWOWWOWでしたっけ。
 よくぞここまでやっちゃったというか。
 ちょっとガチャガチャし過ぎな感じはするけど、原作のテイスト尊重するならこんな感じなのかな。

 シャギ様、どっちでも相変わらず目立たない(※実は細田よしひこさんの隠れファン)。物語引っ張ってるのは相変わらず名無しのまんまの「いつもライブ来てるDMCファン」の皆様ですね(笑)。彼らは最後まで名無しのままなのかなー。

固定リンク / 2010.2.20


久し振りにガンパレの話とか

●ガンパレコミック by さなづらひろゆき

 物凄く今更読んだのです。

 ……ガンパレという作品は、このサイト存続のモチベーションにもなったくらい私にとって思い入れの深い作品なのですが、残念ながらメディアミックス業界(?)に於いては不幸な作品だったと思うのです。
 少なくともアニメの出来はちょっと。
 あの作品は、全体的に、キャラ萌えだけであそこまでブレイクした作品ではなかったわけで。ゲームとしてはその戦略性が評価されたのであり、物語としては設定魔芝村さんの異様なまでに作り込まれた世界があったから成立していた作品だったと思うのです。そりゃ反発も多かったですがね。
 でも、「ふつう」にプレイしている人だってアリアンには出会うわけで、イヤでもキーパーソンの岩田の扱いの軽さ(5121にすらいないし)からして、もう、アニメスタッフの底が見えてるというか。
 ……さなづらさんのコミックの連載の方が確か先に始まっていたと思いますが、最初の幻獣の造形とか、不自然な舞のサービスシーンとか、もう連載当初のそれだけでぐったり(笑)。アニメは実は最後まで見たんですが、呆気に取られちゃったし。だからもう、「原作」以外の期待値は下げるしかないんだなと思った。でコミックも単行本化しても手を出す気にならなかった。
 権利関係がちゃんとアルファの下にあればまた違ったんですかね?(一応ガンパレはSCEIの持ち物だから……)

 話が逸れましたが、そのさなづらガンパレへのぐったり感ももう時効かなとちらっと開いてみたのです。全3巻でしたし。
 ……びっくりしたぁ。
 ちょっとー。こーれーはーどーゆーこーとーでーすーかー。
 加藤のバイト話とか、速水の実験体時代のエピソードとか(それがまたサービスシーンにされているのはやっぱりぐったりだけど(笑)。読者想定層、腐女子だったんですか? 掲載誌は男子向けだと思ってたんだけどな…当時)、ゲーム本体に出て来ていない細かい設定拾い過ぎだと思います……。
 まあラスボスはいいと思いますよ。やっても。彼が「外から」闇に付け込まれるというのはガンパレの物語にとって必要な要素だし。でもその中心人物が<ネタバレ配慮>遠坂</ネタバレ配慮>ってのはブッ飛んだけど(いい意味で)。あの方はそんな中枢にいませんて! いませんてばさ!! 嘘つき!! いや面白いけど!!(笑)

 原作クラッシャーなのは同じですが、でも「ガンパレという世界の魅力が何なのか」はちゃんと把握して描いてるのが判ります。物語が壊れていても、設定がブレてない。うん、そう、屋台骨がアルファの作ったものからそう離れていない感じ。予想外に面白かったです。色々と。
 ひとつだけ残念な点があるとすれば、速水の舞に対する想いは、もう少し初速度落としてくれた方が良かったかなあなんて。出会い頭に一目惚れするような精神状態ではないような気がするのですよね、実験体くんは。舞にとって速水に惚れちゃうのは想定外だったはず、それと同じくらい、いやそれ以上に「あの段階の」速水は誰かに個人的に想い入れるつもりはなかったはず。……ただ全3巻ってとこ見る限りは、時間なかった、でFAなのかな……

 これは蛇足ですが、幻獣の造形が後半になるに従ってどんどん原作準拠に近づいているのがかなり笑えました。舞のサービスシーンは、まあ、雑誌的宿命なのかなと諦めはついたけど、初期のあの幻獣の造形だけはどーぉしても許せなかった(し、読む気を失せさせた主原因だった)から。多分、同じような意見は当時たくさん届いていたんじゃないかな? 邪推かな?

●セリフの話とか

 セリフ集Botを作るために、ガンパレのセリフで印象に残っている言葉について書いているブログさんとかを最近ちまちま回ってました。で、取り上げられている言葉は現在の642種の中にあらかた入れられたと思います。少なくとも見つけたものに関しては。

 セリフ集サイト運営側だったので、あまり個々のセリフについての好き嫌いを表立って語る機会が少なかったのですけれど、Botのためにピックアップすると、どーしても好きなキャラクターが偏るなあと自覚。
 世界観に近い言葉をいっぱい取り上げたので、量的に多いのは舞・本田・坂上辺りです。というかこの3人はセリフの物理的な量がそもそも多いからねえ。次点がののみ・瀬戸口・善行・アリアン&岩田。
 で、それとは別に狩谷と遠坂は何もかも入れてしまいたくなって困ったりする(苦笑)。まだ狩谷はアレだから別格だとしても、遠坂はねえ。世界に対するキャラクターの重さの割には多過ぎるだろうと我ながら突っ込みたくなる量が。えへへ(とりあえず笑ってごまかしてみる)。
 その割にまだ1度もつぶやかれていないなあ。Bot空気読んでるなあ。
 顔グラある人で一番少ないのは……来須かなあ。そもそも喋らなくて。その分、なんか言ってるものについてはなるべく入れるようにはしたけど。
 苦戦したのは中村。彼はキャラ同士の掛け合いの中でいろいろやるタイプなので、単独で取り上げるのがものすごく難しかった。ただ、恋愛モードの時のセリフはいろいろしみじみして大好きなので(萌プレイで堪能しました)出来る限り突っ込んだつもり。

 Botはランダムモードなので、作った当人にも何が出て来るか全く予想がつきません。「ペットといえばアレするもの」とか地雷っぽく埋め込んだつもりがあっさり選ばれた…(笑)。何が出て来るのか、本人が一番楽しみにしてるかも。

固定リンク / 2010.2.14


ガンパレードマーチセリフ集Botを作りました

 twitter bot GENERATORさんをお借りしています。本当はレン鯖とか自分で調達しようか最後まで悩んでいたのですが、このジェネータがあまりに多機能で素晴らしいのでお借りすることにしました。

 興味のある方はガンパレードマーチセリフ集botからニヤニヤと見物してやってください。
 全自動一方通行botにしたので、必要以上にタイムラインを汚すことはないと思います。@は反応しません。フォロー・フォロー外しは無断で、ご自由に、お気軽にどうぞ。

 初期では世界の謎系のセリフばっかりセレクトしたので、竜だの青だのが出て来る割合が多いかも。
 まだ140種類前後しか登録してないので、同じセリフが出ちゃったら済まぬ。折りを見てぽつぽつ追加するつもり。
 画像アイコン、今のはさささとかなり適当に作っちゃったやつですが、まだちょっと迷ってます。世界観を紹介する、という感じのBotにしたいので、特定のキャラの顔とかにはしたくないのですよねえ。思案中。

2010.2.11追記
 現在、320種類です。…それでも1日3回つぶやくと3ケ月強で1周しちゃうので、もう少し追加したいなーとは思ってます。
 余談ですが、ブログなんかでガンパレのセリフを引用してたりするサイトをちらちら見て回っていたら、Wikipediaのガンパレページにwords of gpmが紹介されていたのを今更知ってびっくりした。本当に今更だ。words of gpmって個々人の口コミだけで広がったのかと思っていたのに。Wikipediaかあ。そうかぁ。

2010.2.13追記
 現在、642種。半年くらいは重ならないでつぶやけるようになりました。ランダム選択なので重なる可能性は0ではないですが。
 しばらくこれで運用しまーす。
 大雑把に分類すると恋愛(2.5)・無名世界観(3.5)・戦争論(3.5)・ギャグ(0.5)って感じですかねー。
 職業系とか、普通だとあまり聞けないレアセリフもちょこちょこブチ込んどきました。
 今のTL見ても分かりますが萌えBotではないです。ギシギシに重いけど時々ヘンなこと言うBotです(笑)。楽しんでいただければ幸い。

固定リンク / 2010.2.6


本日は石田衣良さんの日。

●アキバハラ@DEEP / 石田衣良

 とうとう読みました。
 石田さんの小説はどうも私は受け付けられるものと無理なものの落差が激しいらしいので、期待値をひじょーに低くしたのが功を奏したのかも。
 ええまあ、大丈夫です、拒否反応はないです。
 「七人のおたく」思い出したなんて言うと年がバレるというものです。

 (「七人のおたく」もそうだったけど)ヲタ系という人間社会的弱者がヒーローになるという物語には、ちょいダークめではあれどある種の爽快感があると思うのですよね。電車男もそうだったと思うのだけれど。「弱い」はずの人間が勝つという爽快感。ただ、んー、アキバハラ@DEEPのメンツは、最終的に、ビルに対する物理的な潜入という、文字通りの力技で事態をぶち破るのが個人的にはちょっと微妙。まあそれを言うならPCなんかを物理的に盗むというやり方で潰す側もそもそも微妙なんだけどさ(笑)。物理的に盗めば事足りるという発想がまずアホじゃないですか、電脳系企業にしちゃ。大切なモンは場所を変えて保存するの原則だし。その点ではアキバハラ@DEEPの方々のマヌケさも失笑ものではありまするが。
 これが映画になるとしたら、安っぽい青春アクション映画になっちゃいそうだなと思ったんだけど、あちこちのレビューを見ると…そんな感じっぽいですね映画版。ドラマ版は全く別物だし。

 少なくとも、DEEPなアキバ系に近ければ近いほど、この物語は自分たちから遠いものに見えるだろうな。装置を、アキハバラを、アイコンとして描く分にはまあこんなもんかと思うのだけれど、それでも、ホントのアキバ系のリアルからはひどく遠いなあと。
 どうもわからんなあ石田さん。以前もちらっと書いたことがあるんだけど、この方ってゲームなりネット文化なりを、資料としては知っていても皮膚で感じていないんじゃないだろか。あるいは、感じていたとしても、一般書といて書くことがうま過ぎて、つまり作家としての才能があり過ぎて、伝えることに長け過ぎていて、ネゴシエイションがスムース過ぎて、この手の文化が持っているざらざらッとした現実との乖離感みたいなものが全部落ちちゃってるといいますか。
 まあそもそもアキバ系なんて人種は「伝達することがヘタ」でナンボなわけで、人間関係のネゴうまかったらアキバ系になんぞならないわけなので。

 うーん。まあ。つまり。
 エンターテインメントとしてはいいんでない? ただアキバ系としてのリアルはないよね。

●うつくしい子ども / 石田衣良

 チクショウ直木賞作家め(褒め言葉と皮肉半々くらいで)。
 「うつくしくない」子を主人公に持って来たり、××に(←一応ネタバレ排除的に)女装癖持って来たり、車椅子のヒーローがいたり、あれを黒幕に持って来たり、なんつーか、うわーん判り易いよー(苦笑)。異質なモノを排除する社会に取り残された方からの視点で、醒めた目で社会を見回す感じのストーリーテリングは秀逸なのです。ただ新聞記者持って来ちゃうのは(この事件の場合は)判り易くし過ぎじゃないだろかと何となく。彼視点がなくて、ずーっと主人公の小学生・ジャガから見てたら、ものすごく見えにくくて面白かった気がする(そんなの面白がるのは私だけか)。事件の本質は彼1人で全部探し当ててますし。ラストシーンくらいかな。大人の出番は。
 ただ、一編の小説としては、多分、この形式がベストだったんだろうなあって気がする。その辺が。うーん。なんていうか、熱を感じなくて、職業作家が職業的に構成しました的な手触りなの(というのが「皮肉」側の感想)。
 話そのものはとっても先が気になっちゃって、あっと言う間に読んでしまったのです。でも綺麗過ぎるなあ…。なんでこう、登場人物設定自体はざらざらなのにここまで小綺麗な描写に落ち着いてしまうのだろう、石田さん。悶々。目のつけどころは結構好きなんですけどねえ。
 ETV「ハートをつなごう」で司会している姿をチラ見してからますますなんかこう割り切れないものが。ええと。いろんな社会的マイノリティに触れた後の作品を読んでから判断しないとダメかも。それでも変わってなかったら……ええと、やーい直木賞作家ー(褒め言葉と皮肉半々以下略)、ってことで。一種職業病なのかしらん。

固定リンク / 2010.1.30


乙女向けモバイルフリーゲーム濫読月間みたいな

 mixiアプリでエフルートが乙女ゲー連発してますが。
 うん、無料開放して正解だ。というレベル。

 エフルートさん自身は、あんまり乙女ゲーというものに対するビジョンがない感じがします。なんか儲かりそうだから手をつけてみたみたいな匂いがすごくする。熱を感じないというか。移植もすっごい「やっつけ」な感じがするし。

 似たような商売をしているボルテージさんとかは、無料の攻略サイト立ち上げたりして、商売として成立するための熱意はそれなりに感じられるんですよね。多分、無料化はしないだろうなと思ったり。まあそれはそれでいいと思う。

 エフルートはねえ。有料バージョンの意味あるのかなあ。あそこまでやってしまうと。どうなんだろう。継続課金したくなるレベルではないんですが正直。PV毎に払われるペインメントの細々としたマネタイズでやれるんならその方がいいんじゃないだろうか。継続させるパワーは断然恋プリの方が上だろうなあ。後述。

 ケータイのアプリでやる、という意味では、今でも最強は恋プリだと思います。トラブル多過ぎて担当者涙目な想像つきますが(ややこしいよねえソーシャルは…ガンバッテクダサイ…)、まあよくやってるなあと思うし、シーケンシャルなシナリオがないという特徴が、いくらでも「巻き戻し」が可能だという利点に変化してる。サーバトラブルだらけの運営にとっては一種強みになってるかも知れない。まあ皮肉半分ですけどねー(笑)。

 公式版はどうなんでしょうね。声優ヲタだったら誘導されてるかも知れませんが、ケータイの音声再生能力は微妙過ぎてあんまりおいしくはない気がします。一応称号聞いてはみたのですが、私はソコに引かれて始めたわけではないので特になんとも。
# 声優名全面押し出しな広告を見てると、やっぱそれって重要なんですかねえ。
# 一番の不人気キャラらしいです潤くん。むー。

 あと無料版の称号の取得基準が全く理解できない…。かなりパラメータ低い時から「恋人同士」が出て来るのはそういう仕様なのかなあ。この達成感のなさったら。ホント、「ゲーム」じゃないですねえこれ。
 逆に、誕生日だのイベントだのといった季節毎の変化の方がぐいぐい前に出るゲームシステムなんですよね。だから、継続課金させるという意味では多分こっちの方が強い。クリアして終わりというシステムじゃないので。

 ただ、モバイル乙女ゲはもう飽和だと思うので、一歩間違えば不良資産化しそうな感じしますねえ。ソーシャルがうまくブレイクスルーになれればいいんですがー(その意味でエフルートの方向転換は実は正しいのかも知れないとは思います。多分、有料課金だけじゃやってけないだろう、これ)。

 で。
 実は先日からixenのラブシチュもぽちぽち始めてます。
 無料で遊べるは誇大広告かも知れず。キャラクターとの個別エンディングはお金出さないと見られないので。

 とはいえ。
 実は有料課金全くする気になれません。

 と言えばマイナスポイントに聞こえるかも知れないですが、実は逆で。
 無料の範疇でもそれなりに「物語として」いい感じのシナリオが揃ってる、気がします。キャラ萌えだけで押し切るようなストーリーじゃないというか、ちゃんとプラスアルファがある感じ。
 今、本当に自由時間が細切れなので、ちっちゃく細かく楽しめるものが欲しいなーと思っている身にとってはありがたいです。
 自分は別にキャラ萌え求めてないんだなーというのがよく分かりました(笑)。ちゃんとした物語が欲しいらしいです。自分。
 でいい感じにハマっているみたいです。
 ライター陣との相性がいいのかも知れない。というか、ライター陣を引っ張って来る企画担当者との相性がいいのか。
 空き時間にちまちまやってます。
 ゲームは基本的にコンプリートしたがる方なのですが、有料課金しないと出来ない仕様なので、別にコンプしなくていいやーと投げちゃえるのも楽でいいのかも(笑)。

 担当者応援する意味で投げ銭しようかなという気にはなります。…なるんですが、キャラ萌えが全くないので、どーやって投げ銭したらいいんだろうという悩みが。誰か1人選ばないとならないのでねえ…。担当者の努力に投げ銭してもいいかなと思って初めて、恋愛ADVとして読んでないじゃん自分、みたいなことに気づいたりする。

固定リンク / 2010.1.23


Lotus Symphonyが無料化していたとは

 時代だねえ。
 とはいえOpenOffice.org改良版らしいので、かつてのLotus Symphonyとは別物ですが。
 実はWindows3.1の頃にLotus SuperOffice持ってましたよ。当時IBMのPCを買った時、Microsoftモデルか一太郎モデルかLotusモデルかを選択できて、Lotusモデルを選んだことがあるのです。その方が安かったから。

 で、今のLotus Symphony、ちょっと触る機会がありました。IBMが社内資料をODFにするなんてニュースを見たので、IBMが業務で使わせる程度には成熟して来たんだろうなと思って。

 第一印象。重い。
 ひたすら重い。参ったねえ。体感ではOpenOffice.orgより重く感じます(ちなみにクイック起動というオチはないよ。offにしてるよ)。
 ただ、その重さを除けば、UIの見た目は洗練されてて、さすが後出しジャンケン、っていうのがありありと。
 とりあえず一番使うDocumentsで感想を。

 フォント設定を独立してフローティングメニューに仕立てたのは、私は邪魔だが、今時のハイビジョンディスプレイサイズだと喜ばれるかもですね。一番頻繁に使う部分が目に見えやすくなるので。

 文書が、別アプリケーションでも同一ウィンドウでタブ化されているのは好みによりけりかなあ。Webレビューでは好意的な意見が目に付いたけど、昔の職場で、XP→Vistaになった時、タスクバーでアプリケーション毎に文書タブがまとめられてしまうことをものすごく嫌がっていた人がいたので。あの人だったら死んでも使いたがらないだろうなと。その人のためにあらゆるタブ系アプリケーション(IEも含む)からタブ使用を外しまくったのもいい思い出です。
 私自身は別にどっちでもいいやって感じです。Lotus族の人はこれがふつーだから違和感ないんだろうなーとか思う程度(Notesとかこうでしたよね、昔から)。

 一番ウケたのはページスタイル設定が[ファイル]メニュー内に移動していることですね。ああMSの呪縛…。OpenOffice.orgで誰もが悩むページスタイル。MS癖がついてるとうっかり[ファイル]メニュー押してしまいがちだからナー。わかるナー。私も未だにOpenOffice.orgで、それが正規の手順であるかのごとく[ファイル]メニューを1回押してしまうことがあります。最近はだいぶ慣れて来たっスけど。
 でもコレだとページスタイルの良さがあまり見えにくいかもですね。まあ一文書内でページスタイルをやたらに使い分けるようなトリッキィなことをやっちゃうと、MSで開いた時に悲惨なことになるので、ファイル単位でしか使えないものだと誤解しておく方がいいのかもですが。

 反対に。[ファイル]→[開く]がどうしてもう一階層あるんだろう。これはLotusのお作法なのかな。謎。まあCtrl+Oがあるのであまり不便には感じません。
 段落プロパティ(Wordで言う[書式]-[段落])も二階層目([レイアウト]-[プロパティ]-[段落プロパティ])にされてるのは個人的にちょっとマイナスかも。テキストプロパティはフローティングメニューあるからまだいいけど、私は段落プロパティも割とよく触るので。ちなみにOpenOffice.orgはWordに同じく[書式]-[段落]。
 てゆーか、「プロパティ」って言葉が元々、パソコン初心者にとっての難解語辞典の筆頭だと思うんで、微妙に乱用し過ぎてて好かんなぁ。フリーのオフィスソフトっていうのは、MSにお布施が出来ない高齢者がうっかりひょっこり使いがちだからねえ。まあ、Lotus Symphonyはダウンロード画面が英語だから(ソフト自体は日本語)不用意におじーちゃんおばーちゃんが使っちゃうことは少ないかも知れないですが。

 OpenOffice.org←→Lotus Symphony間で「吾輩は猫である」の冒頭部分をだらっと流し込んで文書開いたり縦書きしたりしてみたところでは、OpenOffice.orgの方が間延びしがちなレイアウトになりますね。ただこれはMS←→OpenOffice.orgでもOpenOffice.orgの方が伸びちゃうし、ちなみにOpenOffice.orgの2.0→3.0にした時も伸びちゃうので(既に個人的な文書のいくつかをODFにしてあったので、これにはびっくりした。まあMSも95→97で伸びたことあるけど)、…まあつまりOpenOffice.orgは伸びるんデスヨ。それが一般人用語ではレイアウト崩れと呼ばれることも多々あるのデスヨ。
 この「伸びちゃう」が、互換性の中で一般人が使う際には割に致命的だったりするんですよね。ページ設定に続く超FAQは「Excel(Word)で1ページにちゃんと収まってたのに、OpenOffice.orgで開くとページ増えちゃうYo!」なので。
 OpenOffice.org→Lotus Symphonyで縮んじゃうので、逆に、MS→Lotus Symphonyではあんまり伸びないかも知れないと思って、やたら図の入った文書で1つだけMS→Lotus Symphonyやってみましたが、ページ数は増えませんでした(同じ文書をOpenOffice.orgで開くとやっぱり伸びちゃって改ページ位置が変な所になります)。
 とはいえ、文字間縮めたりといったトリッキーな書式を私はほとんど使わないし、改ページを改行入れまくってやるような無作法はあいにくしない方なので、たまたまかも知れないですが。
 でもMSの再現性はOpenOffice.orgより高そうな感じ。気を使って調整してあるかも知れないです、Lotus Symphony。

 全体的に、OpenOffice.orgをMSの再現性をキーにいぢくり倒したという印象かな。UIはLotus作法なのかも。用語が今いちワカラン。これは慣れの問題っちゅー感じも。

 ただし。OpenOffice.orgでふつーに出来た設定項目が、潰されてるのか何なのかほとんど見つけられないので(単位設定とか行間リードの設定とか、よく問題になる箇所)、ちょっと突っ込んだ使い方をしようと思うと難ありかも。

 あと、最初から国際化だから仕方ないかもですが「アジア言語」という表現が初心者には入りにくいかもですね。実際は中・韓なんかにも共通する項目であろうとも、日本語版なんだからUI上は「日本語」で押し切ってしまってもいいような気がする(OpenOffice.orgの翻訳はそうしている)。

 結論。あんまり突っ込んだ使い方をしなくて、マシンパワーに余裕がある人なら、(MSとの再現性という意味では)Lotus Symphonyが吉かも知れないです。そもそもMSの方の使い方だってわかりゃしねーよ! という人なら、UIの違いは問題にならないでしょうしね。
 …私は行間調整トリッキー派なのでOpenOffice.orgメインだと思います。これからも。Lotus Symphonyは私のような変態ユーザーにとってはカスタマイズ性が低過ぎるかも。

固定リンク / 2010.1.16


イリヤの空 UFOの夏

 その1だけはだいぶ前に読んでいた

●イリヤの空 UFOの夏 その2 / 秋山瑞人

 えーと。うーん。どうなんだろう。

 相変わらず文体は超好きなのは変わらないのですが、話自体はびみょ。てかそのギャップにただいまちょっと苦しみ中と言いますか。欲しいのはそれじゃないぃー、という変な飢餓感がチクショー。

 晶穂の心理も伊里野の心理もまっ……(中略)……たく理解出来ないなあ。参ったなあ。何が弱いんだろうなあ。どうも「ボーイミーツガールである」ことだけが先行し過ぎな感じで。えー、こんなんだらだら続くだけなのかなー、みたいな違和感。
 特に晶穂がものすごい意味不明だ。理由も見えなくてモテる男なんざギャルゲ主人公だけでお腹いっぱいなのだがなあ、みたいな。物語が全般的に浅羽視点だから仕方がないとはいえ、浅羽の魅力が全くわからん(し、物語の中で表現し切れてないとも言う)のが歯がゆいのですよ。
 浅羽が伊里野を気にするのは、まあ、ちゃんと説明し切れている感じで、判らなくもないんだけどさ。
 むー。

●イリヤの空 UFOの夏 その3 / 秋山瑞人

 で、そう来ましたか……。
 文体が好きだけに「虫」のシーンは死にそうになった。うわ冷静に読めない。ひぃぃぃぃ。

 相変わらず人物の心情変化がうまく見えない(浅羽を除く)。特に晶穂。これはもう、2巻で置いてかれて以降はもうついて行く努力を放棄しないとダメなんだなと思いましたですが。話がもう別の方向に動いてますですからね。
 というかそっちだったのかよ! という驚愕。なんつーか、1〜2巻のゆるま湯な雰囲気からして、戦争関連の伏線って回収する気がなくって、だらだらと日常パートが続くのかと思ってたよ。ギャルゲーみたいに。ごめんなさい(笑)。
 ちゃんと回収された先を見てから評価します。ってかもうちょっとスピーディにこっち来てたら評価変わったのになあ…。

 それにしてもこの文体であれはきついなあ。私にとっては、シンクロ率が高過ぎて正視出来ない類に入る。ちきしょー。

●イリヤの空 UFOの夏 その4 / 秋山瑞人

 物語の落としどころはオッケーです。安易なハッピーエンドになんぞ走ったら蹴っ飛ばすぞコラ、とか考えてましたのです。

 浅羽はいいのよ浅羽は。ってゆーかもうお腹いっぱいでげんなりってくらいです。いいです。葛藤も想いも苛立ちも。ここまで書き切られたらそりゃ主人公冥利に尽きるでしょうとも、ええ、秋山先生の手で主役抜擢されたことに感謝しなさいってなもんですよ。うはははは。

 なんだけどね。

 うーん。やっぱ伊里野が足りない。
 元々学校という生活も経験がなく、守りたいと感じるくらいに誰かと深入りしたこともないという人間関係スキルの浅いやつが、出会ったその時からこのボンクラ(悪いね浅羽)にどうやったら惚れられるんだ。かなり気持ち悪い。理解出来ない。平凡な少年が出会う一夏のボーイミーツガールというのは美辞麗句ではあるけど、浅羽、平凡過ぎるんだよキミは。えーと、そこらの天然モテ体質なギャルゲ主人公の方がまだ魅力的だっつの。
 浅羽というキャラクターが、恋愛というフィールドに於いて多少なりとも肯定的に捉えられる魅力があるならまだしも。なまじ語り手だからなのかも知れないけど、客観的な「良さ」が全然わからんのですよね。だから晶穂の心理も消化に悪くて困っているのですが。

 ええと、だから、うーん、多分、一般的感動ポイントのはずの「好きな人が出来たから」が私にとっては最大のげんなりポイントだった。うえええええ。嘘でしょぉぉぉ。そこで挫けた。
 ええとね。
 クラスで半ば仲間外れだった伊里野に対する態度、浅羽だけは違っていたわけで、前半ののほほん学校生活を通じて、伊里野がだんだん浅羽に惹かれてったんならいいのです。というか、そうだと思ってたのです。浅羽本人に、人付き合いスキルのない美少女を電撃的に恋に落とす魅力があるようにはどーしても見えないから(笑)。

 伊里野にとって最初、浅羽は、最初に接してくれた学生であり、まあ、ガイドというか、他の人に比べたら心をまあ許してるというか、そんな程度かなと。だけどいろいろやってくうちに、ね、伊里野の人と違う妙な態度とか事情にも浅羽はすごい寛容なわけで、だんだん心の深いとこまで許せる気がして来て、みたいな。
 この手の物語にとって、日常というやつは、そういう心の変化とか、深みとか、成長とか、そういうもののための舞台ではないのかなーと3巻までは思っていたのだけれど、出会った最初の段階で既に「好き」と意識する存在だったってのはちょっと……うーん(消化不良)。
 せっかくの「日常パート」の意味がふっ飛んだ感じだったのですよ。もったいない…何のためにあの日々が必要だったの? と。
 伊里野が、伊里野という人間の核が学校という装置によって劇的に変化したのではなく、ただそこにある過去が曝されただけで。
 伊里野側の人間関係テンションに微塵の変化もないわけで。
 枠にはめられたロボットのようなヒロインというか。
 伊里野もったいないなあ。すごいもったいない。浅羽独り語りのマスターベーションに付き合わされただけみたいで(※あのシーンのことを言っているわけではなく、物語の全体的な話)。

 せめて、「好きな人」と言い切らないでいてくれたら(私としては)良かったのかも。「気になる」「また会ってみたい」「話してみたい」なんでもいいんだけど。最初から恋愛モードは勘弁して下さいなのですよ。というか、そもそも伊里野って他人に興味をあまり示さないっぽい生い立ち(守る相手を作ろうとしたってことは、そうなる相手がいなかった=誰かと深入りしたことがないってことでしょう)なのに、なんでいきなり恋愛なんだ。説得力ないなあ。浅羽がもっと魅力的だったらそんなの吹き飛ばせるんだけど、私にはそうは見えなかったし。ああもう。ああもう。ああーもう。

固定リンク / 2010.1.9


うみねこのなく頃にep6

 明けましておめでとうございます。
 ふむ。なんかヘンな意味で本格っぽくなって来ちゃって一抹の寂しさが(笑)。

●ウサンノカオリ
 初聴きだったのでちょっと仰け反っちゃいました。わ、笑うトコですかこの歌詞ッ。「名探偵は知っている」は探偵ヱリカのテーマ曲ですが、胡散の香りは個人的に「探偵モード戦人」のテーマソングと思っていただけに。色々符合し過ぎて笑いが…笑いが…。でもいい曲だなあ。うさんくさいっていう人を食ったタイトルも元々好きなんだけど。

●馴れ合いは個人的にはおなかいっぱい
 ……まあ、後々、あれも必要だったのね、と思える日が来ることを期待しておこうとは思いますが。でもなー。微妙。
 元々恋愛描写はいらんて思ってた方ですが、予想外に強調して来るのもなんかなーって感じだし。
 内心距離感があったはずのヱリカとドラノールが協調し過ぎてるのも微妙に寂しい。EP5のドラノールの葛藤、好きでしたのに。

●ロマンチストGM
 (上とも関係しますが)このゲーム盤の「作者」がとんでもなくロマンチストだから仕方ないっちゃー仕方ないんですかね。彼が作るとこうも甘々な盤になっちゃうのか。
 EP1の頃から誰も疑いたくないと泣いてた男だからまあそりゃそうか、と納得はすれど。「目的」からすると本当にそれで良かったのかなと思ったりもする。
 「理解」しなければならない初代GMは、こんな甘ったるさはお望みではないと思うのですが。
 ……どうも乖離があるような気がする。
 ただ、終わってみると、それが必要なのかもと思わなくもない気はして来たので、それは結界の下に。

●フルフル・ゼパル
 かぁいいっす(笑)。この2人の大仰で芝居めいたセリフ回しは久々にいろいろとツボりました(笑)。これを第一の晩扱いするってことはGMが召還したんだよなァと思うとますますカユいねぇ。何この甘ったれGM。べったべた。
 曲(キ・ナの香り)もいいですねえ。キナくさいって直訳しちゃうとまた人を食ったよーな題名だと思うけど。次の香りシリーズは出て来るのかしら。

=================== ネタバレ結界スタート ====================

●GM右代宮戦人

 なんだか、うーん、「そなたは無能だ」が宣言された世界だから仕方ないとはいえ、何処まで無能になれば気が済むんだ右代宮戦人ァァァ(笑)。
 ただ、うーん、すっごい違和感が残ります。
 だって。ねえ。

 GMがここまで無能でなければ雛が孵らないから、じゃねェのか?

 どうよその辺。
 初代ゴールドスミスがエンドレスナイン持ちなクセに「正攻法」で奇跡を起こそうとして、甦らせることが出来なかったんだから、同じエンドレスナイン持ちである次代ゴールドスミス・バトラは逆を行くしかなかったんじゃねェかナー。なんて思えて来たりふんだりけったり。

 気になっているのは、GMバトラTipsのこれですね。

すべての真実、真相を知っているため、彼の存在する層は、あるゆる者たちよりも上位である。

 ナチュラルに、魔女たちのいる場所とも違う層だと思ってた。「彼」がいる層ではロノウェが具現せず源次の姿を取り、ワルギリアが具現せず熊沢に見えるんだと(最初の構築時に出て来た世界ですね)。もちろん彼らは下位の彼らと同一存在かどうかは判らないけど。
 で、結婚式(というか指輪レ○プ)会場に引っ張り出されて来たアレはGMじゃないんだと思ってたんですよね。あれも駒なんだろうと。
 ついでに言うとベルンが送り込んだ駒とはいえ、ああいうヱリカを「配置」したのもGM特権だし、ヱリカに遡りを許したのもGM特権だし、自分で魔女側の(あえて自分のとは言わない)首を絞めるようなことをするのもGM特権だし。それがベルン側にはバカGMのドジと映っていたのだろうけど、実のところ、GM代理の駒として動くバトラが苦しむ(のを雛ベアトに見せる)のも「必要だからそうした」んじゃないのかなあ…。

 あと。こっちはちっちゃいけど。
 一族の誰かを犯人にするのが嫌で、魔女の存在も認めたくないというのが一貫したスタンスだったんだから、ヱリカが探偵権限を捨ててまで「犯人」になるゲーム盤っていうのは、「戦人にとって都合良すぎる」じゃん。親族を誰も疑わず、魔女に屈服もしなくて済むわけなので。というか、私だったら結構ラッキーと思って嬉々として犯人に据えちゃうよね。GM回って来たら。

 私の買いかぶりかい? あはん。
 がんばれヘタレGM。このまま結婚式で浮かれて終わりゃしねーだろ。と思ってるデスよ。

●八城十八 / フェザリーヌ・アウグストゥス・アウローラ

 名前だけでげっそりするほど「オヤシロサマ」を詰め込まれるし、縁寿の立ち位置を「巫女」と表現するし、またこの「層」を作っちゃうのかーそうかーとちょっぴり苦笑い。
 ただ、うん、なんていうか、…難しいねえ。何らかの「解説役」は確かに必要だと思うけど、ここまで分かりやすくして良かったんだろうかとちょっとだけ。

 うみねこの始まる時の
"解けるようにできている"甘口パズルをお好みの方はどうぞお引取りを。
『うみねこのなく頃に』は、皆さんに"解かせる気が毛頭ない"最悪な物語です。

 という挑戦は、物語の中で最初から最後まで貫かれるものだと思っていたので。
 それを「魔法」という表現に昇華したのはすごく綺麗なやり方だとは思うのですけれど。
 魔法は必ず「解ける」のだと宣言してしまっているのに等しいのが切ない。もちろん、それだって「観劇の魔女の」言い分でしかないのだ、ということになるのでしょうけれども。

 記憶のない1日にされてしまうということは、縁寿はこの層の巫女であるかどうかに関わらずあの日で舞台から下ろされてしまうの確定なのか。むー。まあ、本来であればEP4で下りたはずの存在だらそれでいいのかな。…次のGMがあのままベルンになるんだとしたら、簡単には下ろしてくれないかもねェ?(にや)

●17人

 16+1じゃなくて17+0なんでしょうねえ。多分。TipsのヱリカをExecuteすると魔女側では存在ごと盤から消されるし、下位側ではそもそも上陸したかどうかすら未確定だし。
# で代わりに嘉音がExecuteしても死なないんだよなあ。resultは死亡で決着してるのに。
# 観測者が視認してないからとはいえ、これちょっとわくわくするねえ。
# なんでいつもキーパーソンなんだ嘉音。うふふふふ。

●バグだと思うのですが

 Tipsの上位ヱリカのExecuteとResurrectの動きが時々変です。Resurrectで生き返らなかったり、Executeで盤面から消えても右の立ち絵と解説が残ったままだったりします。上位ヱリカだけに起こる辺りが素敵なバグです(笑)。

固定リンク / 2010.1.2


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