総務省と電波産業会の共催による「電波の有効利用に関する国際シンポジウム~ホワイトスペースの活用など新たな電波の有効利用に向けて~」が、2010年3月1日に明治記念館(東京港区)で開催された。基調講演を行った内藤正光・総務副大臣は、「ホワイトスペース特区(仮称)」を2010年7月以降に創設すると提唱した。

 ホワイトスペースについては、内藤正光・総務副大臣が主催する形で、「新たな電波の活用ビジョンに関する検討チーム」が2009年11月25日に発足し、検討を進めている。今日のシンポジウムは、ホワイトスペースの活用など新たな電波利用に関する海外の動向を把握するため、海外の政府機関及び事業者を日本に招へいし、検討チームの構成員と幅広い意見交換を行う場として設定された。

 内藤副大臣は今日の講演の中で、次のようなスケジュールを示した。まず、検討チームの検討を経て2010年7月にホワイトスペース活用など新たな電波活用の有効利用の実現方策を策定する。そのあと、ホワイトスペース特区(仮称)を創設し、研究開発や実証実験などを実施し、制度化に向けたさらなる具体的な検討を進める。2011年7月の地上アナログ放送の停波のあと、順次地域などのニーズに合わせた展開を促進するというものである。

 ホワイトスペースは、放送用などある目的に割り当てられている周波数であっても、様々な条件の元で、既存の利用に干渉などの影響を与えずに利用ができる周波数を指す。内藤副大臣は、今日の講演の中で、東京におけるチャンネル割り当てを例に挙げて、地上デジタル放送の割り当て周波数である13~52チャンネルのうち、東京タワーからは20~28チャンネルが利用されている。今日のシンポジウムには多数の放送関係者が聴講していたこもあり、「しっかりと調査する」ことを前提にするとしたうえで、調査の対象として「29チャンネルから上で、いったいどのチャンネルが使えるのか、について多くの期待がある」と述べた。