二重国籍問題 外交官以外の公務員は禁止の規定なし 自民、民進など法改正には及び腰

 民進党の蓮舫代表をめぐり急浮上した「二重国籍」問題が波紋を広げている。6日の参院予算委員会では、自民党の有村治子元女性活躍担当相が安全保障の要である自衛官などの公務員に関して二重国籍を禁止する法律がないと指摘。安倍晋三首相は研究の必要性に言及したが、与野党の多くは慎重姿勢を崩していない。

 「国の守りを固め、国民の生命と財産を守ることは国益の最たるものだ。その最前線に立つ防衛省職員が日本以外の国籍を持っていていいのか」

 有村氏は6日の参院予算委で、こう訴えた。これに対し、稲田朋美防衛相は「自衛隊員が法令に反して二重国籍を保持し続けることがないよう周知徹底を図っていきたい」と強調し、調査する考えを表明した。

 そもそも有村氏が指摘するように、国家公務員は外交官などの外務公務員を除き、二重国籍を禁止されていない。自衛官など自衛隊員は、防衛相訓令に基づき日本国籍を有していなければ受験資格がないが、二重国籍に関しては規定がなく、一般隊員の外国籍の有無は確認していない。

 国籍法に「(外国籍の)離脱に努めなければならない」との努力規定があり、これに従っていると想定しているためだが、防衛省関係者は「親の仕事の関係で外国で生まれ、二重国籍のまま任務に就いている自衛官がいても不思議ではない」と漏らす。

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