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パートナーシップ・マネジメント 単行本 – 2006/4/10
日本版LLP、LLCの使い方がわかる!
- 本の長さ264ページ
- 言語日本語
- 出版社ゴマブックス
- 発売日2006/4/10
- ISBN-104777103757
- ISBN-13978-4777103751
商品の説明
抜粋
我々は、今、大きな時代の潮目にさしかかっています。
我々を取り巻くすべての事象のスピードが、かつてないほどに高まっています。「ドッグイヤー」という言葉が喧伝され始めたのはつい先日のことのようですが、今では、「いやそれでは甘い。もはやマウスイヤーだ」という言葉まで聞かれるようになりました。我々が生きる時代の変化の速度は、いや増しに増しています。
環境変化の速度が高まるにつれて、企業の優勝劣敗が明らかになる速度もこれまで以上に速まっています。かつて、企業の平均寿命は三〇年である、という説が存在しました。今日では、「企業の寿命三〇年説」が牧歌的に思えるほどに、企業の栄枯盛衰は短期間の間に起こります。いずれにせよ明らかなことは、我々ビジネスパーソンの寿命を、企業の寿命はもはや大幅に下回っており、そしてその差は今後ますます開いていくということです。大企業に就職すれば一生安泰だ、という時代は、終わりました。
ピーター・ドラッカーが言う通り、現代という時代は、「歴史上初めて、人間のほうが組織よりも長命になった」(『明日を支配するもの』ダイヤモンド社)時代なのです。初めての環境の中で、これまでのパラダイムは通用しません。
企業の資本政策をめぐる環境もまた大きく変わりました。かつて、長期安定株主との株式持ち合いと、銀行融資とで構成されていた企業の事業資金調達は、いずれも大きな変化を経験することになりました。株式の持ち合いは急速に解消され、代わって、株主主権を声高に叫ぶ新しいタイプの株主が登場しました。
融資に対する姿勢も、メガバンクの経営危機を経て、大きく変わりました。敵対的買収などに関わるきな臭いニュースが、ワイドショーなどでも連日報道され、資本原理主義者とも呼べる若い経営者がもてはやされ、そして地に叩きつけられました。一連の変化のめまぐるしさは、まさにマウスイヤーそのものでした。
高速の変化と、情報の氾濫に晒されて、多くのビジネスパーソンは、日々強烈なストレスを感じて暮らしています。「共同体」としての、ウェットで温かかった会社はもはや姿を消しつつあり、無味乾燥の会社の中で、高速のベルトコンベアーは回りつづけています。
財団法人・社会経済生産性本部の『産業人メンタルヘルス白書』(二〇〇四年版)によると、企業において「心の病が増えた」とする回答が、実に五八・二%にものぼっています。中でも、「うつ病」の増加は圧倒的です。
多くのビジネスパーソンが、「働くことに夢をもてない」と考えています。世界第二位の国内総生産を誇る国で、年間三万人もの人が、自ら命を絶ちつづけています。豊かになったはずのこの国で、多くの人々が声にならない悲鳴を上げています。
司馬遼太郎の『坂の上の雲』(文藝春秋)は、近代国家建設という目標に向けてひた走る明治時代の日本人の群像を描いた小説です。
高度成長期以降の日本人は、まさにもう一つの「坂の上の雲」を追いかけて、急峻な坂道を猛スピードで駆け上がってきたのだといえるでしょう。
バブル崩壊以降、登り坂だった道は平坦になり、時に下り坂になりました。もはや、坂の上に雲は見えません。成熟した経済の中で、雲の見えぬ道を歩む我々には、新たな働き方、新たなパラダイムが必要でした。それが見つからないまま、旧来のパラダイムのままで軋みをあげながら働きつづけていた、それがバブル崩壊から現在までの一五年間だったのでしょう。
我々に必要な新たな働き方とは何か。
それこそが、「パートナーシップ」なのだ、というのが本書の回答です。
私は、会社員生活を経て、米国へのMBA留学、そしてコンサルティング会社で勤務したのち、独立しました。現在は、複数のパートナーシップを組みながら働いています。
これまでに、多くの人たちとさまざまな形態で働いていく中で、幸福そうな人と不幸そうな人を見ました。幸福そうな人々の働き方には、ある共通項があったように思います。
それは、本書で取り上げるパートナーシップ・マインドをもち、セルフ・ヘルプの意識を強くもって働いている、ということでした。
パートナーシップは、組織としてのパフォーマンスのみならず、人間の「幸福感」にも密接に関わる働き方なのです。
本書は、決して誰もが独立してパートナーシップを組むべき、LLPを設立すべき、ということを主張するものではありません。独立するかしないかは、あくまで「箱」の問題であり、そんなものは極論すればどうでもよいのです。問題は「中身」であり、どのようなマインドをもって働くか、ということなのです。
企業内においても、パートナーシップ・マインドをもつことによって、素晴らしい働き方を実現できるのです。
これから日本の働き方は、ゆっくりと、しかし確実にパートナーシップへと移行していきます。
我々は一〇年後、今とはまるで違った働き方にあふれた日本を見ているでしょう。そしてその社会は、今よりもずっと働く人々が幸福を実感できる社会になっていることでしょう。
そのオプチミスティックな未来を、私は確信しています。
万人共通の目標となるような「坂の上の雲」なき時代。
新しい時代は、パートナーシップが切り開いていくのです。
登録情報
- 出版社 : ゴマブックス (2006/4/10)
- 発売日 : 2006/4/10
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 264ページ
- ISBN-10 : 4777103757
- ISBN-13 : 978-4777103751
- Amazon 売れ筋ランキング: - 600,921位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 2,433位マネジメント・人材管理
- - 38,890位投資・金融・会社経営 (本)
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どちらも同じことが大事なんだということがわかります。
その大切な心がけはパートナーシップ・マインドという言葉に象徴されています。
(1)自立・自助の心(セルフ・ヘルプ)
(2)まず与える心(バリュー・ファースト)
(3)複眼の心(マルチ・ビューポイント)
(3)は相手の視点になることができるかということだそうです。
これらはパートナーシップに欠かせないものですね。
そしてビジネスについては1:1の関係だけではないので複数のパートナーシップであるチームが必要ですね。
チームの5つの秘訣とは
(1)共通の価値観を持ったチーム。
(2)様々な分野のプロフェッショナルが集まったチーム。
(3)プロジェクト・チーム。
(4)ビジョンを打ち出しているリーダーに共感した仲間が集うチーム。
(5)社内チーム。
というように僕は捉えました。
今後、信頼で結ばれたパートナーシップが重要な時代が来ると予測しています。
基本として抑えておきたい1冊です。
難点は難しい横文字の用語が多い点ですね。
構成的にはLLC、LLPの法律的な説明が冗長的ではありますが、ここで述べる
# Trust is Money
# バリューファースト
# 給料の存在を忘れること
などのキーワードに深く共感しました。
久々に出会った良書です。
パートナーシップというワークスタイルとは?という点が類型化され、具体的な事例も豊富に取り上げられていて、ハウツー的な話はもちろん丁寧に書かれています。
しかし、この本は、ストレスフルな状況下で先が見えない、夢がもてない、そんなもやもやした多くのビジネスパーソンに向けた応援歌ではないでしょうか。
世間では要領良く楽に儲けることが喧伝されている風潮があると思います。
そのような中で誠実にコツコツと働いている人なら誰でも、何だか損している気持ちになったことがあるはずです。
著者の橋口さんは自身の経験を踏まえ、要領良く楽に〜といった考えは長期的には衰退する、信頼に足る人間力を持つ者こそが報われるのだと断言します。
全編を通して、「実利偏重の風潮などに翻弄されることなく、もっと皆で他人を慮る気持ちを持ち、信頼感で結びつく幸福な未来を作ろう、いや現実にそうなるんだ」というメッセージが随所に感じられます。
その根底にあるのは、著者の、人間に対する深い信頼と愛情ではなかろうかと思いました。
パートナーシップを「シニオリティではなく、人間力を紐帯とする関係」も肝心の「人間力」の成長や切磋琢磨による人間性の向上が全く描かれていない。むしろ、パートナーシップでそういったものが望めるかも知りたいところではないのか。
パートナーシップ成功のための条件として「価値観と情報を共有すること」を挙げてはいるが、すり合わせの中で「パートナーとの価値観の違いに違和感を感じたら迷わずあきらめよ」と努力のかいもなく寂しい。パートナーとの真剣白羽の関係や喧嘩してでも絆を深めるといったよい意味での緊張感も伝わってこない。
時代の変化がパートナーシップ・マネジメントを求めているとするも、やはり、時代の変化で見通しがたいパートナーの「良心」や「モラル」に素朴に期待をよせる点も危うい。
全体としてスマートな机上の空論。
どんな個人もが本当の意味で付加価値を創出し社会に貢献できるネットワークを目指すのであれば上下であれフラットな関係であれ、手の切れるような切磋琢磨が私たち自身を磨き高めるのではないか。
著者が示すこの社会の変化の方向は、以下の二つが大きな要因となっている。
1.インターネットの発達により個人を結びつけ情報を共有するコストが大きく減少したこと。
2.社会インフラが成熟した結果、単なる報酬よりも自己実現や価値観に重きを置いた働き方を模索する人が増加していること。
この環境においては、組織の枠を必要としないパートナーシップを軸とした働き方が必要となる。これが本書の重要なメッセージ。
パートナーシップにとって重要なことは、
1.価値観と情報を共有すること
2.パートナーシップマインドを持つこと(自立・自助の心、まず与える心、複眼の心)
3.価値(アウトプット)に注力すること
4.お金の話に正面から取り組むこと
である。
本書の中ではLLPなど、新しい会社法の中で可能となる企業形態のスキームについての説明、あるいは、様々なタイプのパートナーシップの形態の例についての説明があるが、これらは著者のメッセージの中ではむしろ副次的なもの。全て「箱」の議論でしかなく、大事なことは、いかにして価値観をベースにした働き方を構築できるか。ここにフォーカスすることが重要である。
個人による起業がブームとなっているなかで安易に「儲かるから」という理由でパートナーになることは結果として「儲からない」ということを切に説く。多様な働き方が可能となる現代社会において、誰もが真摯に受け止めるメッセージだと思う。
それは、共通の価値観を有すること。
言葉では表現しきれない、時には言葉が不要ですらある感覚。
想い・価値観を共有(シェア)した人と人は強い。(本文中ではその結びつきを紐帯と表現されています。)
他人は他人でなく、全てが自己そのものとなる。
例えば5名のパートナーと一緒に仕事をするということは、5名の鏡に映る自分自身とともに仕事をするということと同じなのだとこの本で気づきました。
筆者の未来への暖かい、しかし情熱的な想いが溢れた素晴らしい本です。ぜひ一人でも多くの人に読んでもらってこれからの、各人のありたい状態に想いを馳せて頂ければなればなぁと強く思います。
弁護士や会計士のような専門家だけでなく、
信頼をベースにパートナーシップが世の中に広がっていくと思います。
この本を手始めとして。
(人によっては)価値を提供すること・働くことの効率性がグングン上がっていくように思う。こんな時代に生きられることが幸せである、と感じさせてくれる書である。