湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ヴォーン・ウィリアムズ:タリスの主題による幻想曲

2009年05月19日 | ヴォーン・ウィリアムズ
○ボールト指揮ニュー・フィル(bbc,medici)1972/7/7ヴォーン・ウィリアムズ生誕100年記念コンサートlive・CD

軽くも美しい響きのニュー・フィルの特質をしっかりしたコントロールのもとに引き出した佳演。ひょっとするとメインの交響曲第6番よりも出来がいいかもしれない。速いインテンポでさっさと進むが抑制されたカンタービレが胸を衝く。もちろんたっぷりケレン味をふくんだ演奏のほうがこの曲の味は出ると思うのだが、本来的には擬古典的意匠を持った曲であるがゆえ、理論家ボールトの手にかかるとこういった表現になる。ちょっとセルを思わせるスタイルである。最後の「返し」の一音が「伸ばし」とちゃんと分離して聞こえる演奏は初めて聴いた。しばらく沈黙ののち静かに拍手が入るのも演奏の印象深さを裏付ける。○。

Vaughan Williams: Symphony No.6, Fantasia on a Theme by Thomas Tallis; P.Hadley: One Morning in Spring, etc / Adrian Boult, NPO, LPO, BBC SO

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