湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ウォルトン:ヴァイオリン協奏曲

2009年06月11日 | イギリス
○フランチェスカッティ(Vn)セル指揮クリーヴランド管弦楽団(TCO)1968/1/25-27live・CD

これはセルと浅からぬ縁のウォルトンの作品である。パルティータなど愛奏していたが恐らく書法上の冒険よりも演奏上の効果を重視したプロフェッショナリズムに、演奏側の人間として共感したのだろう。セルはピアニストでもあるがピアノ的な機械的なスコアもやりやすさとしてあったのかもしれない。ただこの曲はわかりやすすぎて長さがネックになるため、それを凝縮させていこうとしても割と体力のないこのオケでは、特に後半部盛り上がるところにもかかわらず薄い書法に思わず無理矢理整えているようなぎくしゃくぶりが出てしまっている部分も否定できない。まあ自作自演でもいちいちリズムを整えないとまとまらなかった曲だし、寧ろ同曲の録音ではいいほうで、オーマンディによるスタジオ録音よりも、特にソリストの流麗な表現、あと[セルのリズム]が個性を放ち面白いといえば面白い。○。
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4 Comments

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Unknown (田豊)
2009-06-12 23:23:51
ウォルトンの「オーケストラのためのパルティータ」が組曲「火の鳥」1919年版、マーラー10番アダージョとブルガトリオとのあわせで、ソニーのブルーレイディスク使用CDというまあ、そうゆう商法ででています。

至当の結果、ソニーのぼったくり商法にしては珍しく改善の効果があるようで、セルのように音色の大事な人にはいいようです。(ホロビッツとか)

で、ウォルトンの「オーケストラのためのパルティータ」知らなくて損した。いい曲ですね。
なぜ火の鳥 (管理人)
2009-06-13 10:54:06
ウォルトンはヒンデミットと組み合わせじゃなかったでしょうか・・・CDでもその組み合わせで、そもそも作曲家として近い位置でもありましたし。

ブルーレイは映像にしても音声にしてもやはり随分と違いが出るようですね。もっと余裕が出て、新音源が枯渇したら名録音を改めて聴くのもやぶさかではないです。

セルはライヴを聞けない今、評価が難しいですね。ただ、良好な録音を聴いても、中期シベリウスまでかな、とは思います(シベリウスも十分現代的な作曲家ですけど)。ウォルトンは英国人の常としてシベリウス路線に行ったゆえ、成功もしたのですが。パルティータも映画音楽だったでしょうか、セルはライヴもありますが、セルのライヴ自体どうなんだろう(特にオケの調子)というところがあり、むしろ本国人指揮者の新しいものをお勧めします。いくらでも音源はあると思いますし、差が出る曲ではありません。
なぜ火の鳥 (田豊)
2009-06-13 14:08:04
マーラー10番に誘われて買ったら、最後に入っていたのですね。

それでチョイスしたわけではない。案外悪くなかったですが。しかし、なぜ火の鳥を入れたか、ソニーはそういうとこセンス無いですから。

ブーレーズの火の鳥もブル―レイで出ていて、こちらもかなり音は良くなっていた。
マーラーとストラヴィンスキー (管理人)
2009-06-13 21:41:32
ブーレーズにおいては同じ位相にあるものなのかもしれないですね・・・セルにおいては別だと思いますが。。。

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