昆虫から、鳥類、霊長類までの様々な生き方の多様性(主に繁殖戦略)を紹介した一冊です。
人間として、僕は次のように理解しました。
a) 自然界の動物社会は、人間のお手本になるような、平和で、幸せな人間関係(と言うか、動物関係?)ではない。
b) 水平で平等な社会よりも、順位が決まっている(ヒエラルキーが確立している)方が争いが少なくて良い。
c) 争いごとは、徹底的に勝利することを目指すと、とんでもないことになる。ほどほどで止める工夫が必要。
帯のキャッチコピーに
人間関係の本能的課題を解き明かす「サイエンス自己啓発」誕生!
と記されています。
「自然界の動物は平和で、幸せな社会を築いている」
と昔ながらの空想的なファンタジーを信じている人には、近年の動物学の成果から、それが夢物語だった、と知ることができます。
が、いわゆる「自己啓発本」ではありません。
「×○しなさい。」とか、
「出世したければ×○を食べなさい。」などと、
上から目線で、叱ってくれるような本を期待すると、それは期待外れになります。
(竹内久美子は、学会で発表されるような研究成果を紹介するライターです。)
現代社会を生きる直接の教訓を得ようと期待するよりも、
「動物もいろいろ大変だなぁ。」
と気休めを期待する程度の方が良いと思います。
ハッタリ(と言うか、嘘つき)の人が大声で無理を通して、道理を引っ込めていたら、
ちゃんと「お前はオカシイ。」と言うべきだと思います。(いわゆるBroken Window Theory)
が、大言壮語のほら吹きが幅を利かせている社会(会社で出世していたり、地域の顔になって威張っていたりする社会)は、それほどまれなものではなく、狭い人間関係で成り立つ組織ではよく見かけるようです。(いや、結構大きな組織でも)
自らが「負けちゃイケねぇ。」と、田舎のツッパリ(女ならスケバン)のように振る舞う必要は無いのですが
「なんで、こんなヤツが淘汰されずに、いつの世でも一定数いるのだろうか。」
と言う疑問の答えが見つかったような気がします。
少なくとも
「田舎のツッパリは僕の美学では無い。僕は正直に生きたい。」
と思っている人には
「それでも良い。」
と説得力のある一冊だと思います。
と言うわけで、自分の生き方の参考にすることを期待せず、
いろいろな動物のいろいろな生き様を楽しく読む
と、面白い本です。
ニワトリの順位付けは、著者の今までの本でも何回か語られていることですが、
チンパンジーの順位決定(がうまくいかずに抗争が長引いたとき)の悲惨な例を紹介した
第四章「相手を孤立させてしまうのは自爆行為」
がとても強力なインパクトがありました。
竹内久美子の出世作「そんなバカな!」(文春文庫1994/3/10)でもアフリカのチンパンジーが群れ同士の抗争で皆殺し(一頭ずつ捕まえて、殴る、蹴る、肋骨を折って殺すなど)の例が紹介されていましたが、
本書での「群れの中で、順位が決まらないために、殺し合いに発展した」エピソードは衝撃的でした。
できれば犯罪のない、平和な世の中に住みたいです。
平成は自国は戦争をしない30年で終えようとしていますが、
テレビをつければ、辛いニュースばかり。我慢できません。
争いを回避する方法を(本書で紹介されているいくつかの生物のように、メスのふりをする、とか変な方法でも良いので)
いろいろ考えてみながら、気を晴らすことができたような、できなかったような一冊で、一応気が紛れました。
少なくとも凄惨な事件のニュースを見続けるよりは、この一冊を読んだ方が良いです。
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騙し合いの法則 生き抜くための「自己防衛術」 単行本(ソフトカバー) – 2014/6/6
竹内 久美子
(著)
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遺伝子にまつわる謎を軽妙に説くサイエンスライター竹内久美子が自己啓発、ビジネス実用に挑んだ! あらゆる動物の集団行動から、人間関係の本能的根源を解き明かす。動物の社会にもある同盟、密約、裏切りの実態、そしてユートピアかに見える平等社会のとんでもない不幸、女にモテない男がモテる男よりも女を得てしまう現実など、何かと生きづらい現代社会で人間は本来どう振る舞うべきかの指針となる著者の新境地!!
- 本の長さ242ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2014/6/6
- ISBN-104062189844
- ISBN-13978-4062189842
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商品の説明
著者について
竹内 久美子
エッセイスト。動物行動学研究家。1956年、愛知県に生まれる。1979年(昭和54年)京都大学理学部卒。同大学大学院博士課程にて動物行動学を専攻する。1991年、『そんなバカな!-遺伝子と神について-』(文春文庫)で第8回講談社出版文化賞「科学出版賞」受賞。 主な著書には『指からわかる男の能力と病』(講談社+α新書)、『男と女の進化論 すべては勘違いから始まった』『小さな悪魔の背中の窪み-血液型・病気・恋愛の真実』(以上、新潮文庫)、『浮気で産みたい女たち-新展開!浮気人類進化論-』『遺伝子が解く!男の指のひみつ』『遺伝子が解く!女の唇のひみつ』『遺伝子が解く!愛と性の「なぜ」』(以上、文春文庫)、『女は男の指を見る』(新潮新書)、『同性愛の謎―なぜクラスに一人いるのか』 (文春新書)などがある。
エッセイスト。動物行動学研究家。1956年、愛知県に生まれる。1979年(昭和54年)京都大学理学部卒。同大学大学院博士課程にて動物行動学を専攻する。1991年、『そんなバカな!-遺伝子と神について-』(文春文庫)で第8回講談社出版文化賞「科学出版賞」受賞。 主な著書には『指からわかる男の能力と病』(講談社+α新書)、『男と女の進化論 すべては勘違いから始まった』『小さな悪魔の背中の窪み-血液型・病気・恋愛の真実』(以上、新潮文庫)、『浮気で産みたい女たち-新展開!浮気人類進化論-』『遺伝子が解く!男の指のひみつ』『遺伝子が解く!女の唇のひみつ』『遺伝子が解く!愛と性の「なぜ」』(以上、文春文庫)、『女は男の指を見る』(新潮新書)、『同性愛の謎―なぜクラスに一人いるのか』 (文春新書)などがある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2014/6/6)
- 発売日 : 2014/6/6
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 242ページ
- ISBN-10 : 4062189844
- ISBN-13 : 978-4062189842
- Amazon 売れ筋ランキング: - 187,122位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 52,669位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2017年1月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
古本で買ったけど
ここまで内容が薄いとは思わなかった。
他のレビューで酷評だなぁ
まさかそんなにではないだろう。と思ったが、レビュー通り
動物や昆虫の擬態やらなんやら
ダラダラと読まされる感じで
それがヒントになるかも知れないけれど
殆ど人間界ではそこまでではないような
内容ばかりでざっくり目を通しただけで
すぐに捨てました。
他の方の
批判的なレビューは実際買ってみて
あってました。
あとは好みだと思います。
ここまで内容が薄いとは思わなかった。
他のレビューで酷評だなぁ
まさかそんなにではないだろう。と思ったが、レビュー通り
動物や昆虫の擬態やらなんやら
ダラダラと読まされる感じで
それがヒントになるかも知れないけれど
殆ど人間界ではそこまでではないような
内容ばかりでざっくり目を通しただけで
すぐに捨てました。
他の方の
批判的なレビューは実際買ってみて
あってました。
あとは好みだと思います。
2014年8月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
人間のことを話すのに、虫や獣、小動物の例を挙げて証明しようとする!!それはそれでいいのですが、
はたして人間に適用できるのでしょうか???
常々疑問に思っております。
はたして人間に適用できるのでしょうか???
常々疑問に思っております。
2015年8月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
とても状態が良かった。まるで書店で並んでいる様だった。
レビューって文字数制限があるの?
レビューって文字数制限があるの?
2014年9月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
弱い動物がどのように生き残るのか、その様は、厳しい社会で生き残るための処方と重なり、考えさせられました。
ハチの行動様式と、旧ソ連で「とにかく列には並べ」という行動様式も類似しています。
おもしろい
ハチの行動様式と、旧ソ連で「とにかく列には並べ」という行動様式も類似しています。
おもしろい
2021年6月15日に日本でレビュー済み
低い評価の中には昆虫や鳥類、ほ乳類の群れの中のリーダーの存在やお手伝いの役割のまま一生終わる観察結果をそのまま人間に応用できるかという批判もあるが、本書はそこまでは主張していない。置き換えられるかもねぐらいである。
これまで人間独自の行動であると思われてきた、ノーブレスオブブリュージュみたいな現象がみられている。こういった現象は、群れの維持が難しい環境で生活する種類ほどの祖傾向がいられることから、倫理学はむしろ科学になる可能性があるなと勝手に想像しながら読んだ。
色々な可能性が開けてきそうで、面白い。
これまで人間独自の行動であると思われてきた、ノーブレスオブブリュージュみたいな現象がみられている。こういった現象は、群れの維持が難しい環境で生活する種類ほどの祖傾向がいられることから、倫理学はむしろ科学になる可能性があるなと勝手に想像しながら読んだ。
色々な可能性が開けてきそうで、面白い。