生きとし生ける物のすべての
生命力はたくましいものです。
さて
この仕事をしていると、往々にして人間の本性を
垣間見てしまうことがあります。
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先日の講演の際にも一部取り上げましたが
まさに巧妙に仕組まれた「合法的」な
遺産分割協議です。
遺産分割協議とは
相続人全員が「遺産分割協議書」に押印をすれば
成立します。
身内のことなので、第3者を立会人や進行役に
立てないで進められることが多いですね。
進行役は相続人の中の年長者がなる場合も
多いですし、配偶者の一方がなる場合もあります。
ただし
遺産総額の多少に拘わらずスムーズに合意に
至るケースは案外少ないものです。
何度か話し合いをし、漸く合意するのでしょうが
結局は相続人の誰かが折れて収まる場合も
多いことだろうと思われます。
しかし合意に至らないときは、裁判所に調停を
申し立てることになります。
そうなると決着するまで
さらにお金と時間を費やさなければならなくなります。
ところが
○○億とも言うべき遺産がありながら
僅か1時間で然も1回で相続人全員(5人)から
印を押させた人もいます。
印を押させた人の相続分は
遺産総額の70%弱。
このとき全員分の遺産分割協議書はなく
進行役用(70%持っていった相続人)の
遺産分割協議書が1通あったのみ。
つまり、他の相続人は話すことを耳で
聞くしかなかった訳です。
添付資料には
財産目録もなければ
遺産総額も明示されていない。
加えて口頭での遺産総額の説明もなし。
ただ目先に映る「現金」と言う預貯金。
この預貯金の取り分を
生前贈与分も併せて均等分配するポーズを取る。
問題は「土地」です。
こちらが遺産総額の大半を占めているのです。
通常、遺産分割協議書に記載される「土地」に
関しては
・所在
・地番
・地目
・地積
しか書かれていません。
そうすると土地の値段については
固定資産評価証明書で把握するようになります。
評価の価額は実際に売買するときより
20〜30%低く設定されていますので
土地条件の良い所であれば
極端に買い叩かれることはないと言えます。
土地は管理が大変で邪魔もの。
土地があれば税金がかかる。
土地があっても不況だから売れない。
などと、まことしやかに言われれば
血を分けた兄弟姉妹故、信じてしまいます。
また、各々の土地の固定資産評価証明書
など見せなければわかりません。
「相続」は「争族」とも言われます。
実際には「争族」と書かれた法律用語はありません。
二宮尊徳曰く
・譲って損はなく、奪って得はない。
・心が平でなければ得た富も逃げてゆく。
斯様に申しております。
*守秘義務があります。
*本文は依頼者の承諾を得ています。
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