湯・つれづれ雑記録(旧20世紀ウラ・クラシック!)

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ミャスコフスキー:交響曲第25番

2009年04月24日 | ミャスコフスキー
○スヴェトラーノフ指揮モスクワ放送交響楽団(brilliant/melodiya)1957/10/9・CD

これは曲がやや弱い。晩年ミャスコフスキーの形式に囚われすぎた作品で、27番のような締まった様子が無くマンネリズムが気になる。ミャスコフスキー特有の濁ったハーモニーや半音階的にうねるフレーズに奇怪な転調が排除され、ただメロディとそれを支える他の要素、といった構成ではどんなに充実した書法でも飽きてしまう。チャイコフスキーを狙っても(狙わされても)チャイコフスキーは越えられない。3楽章制だが、楽想の弱さもあって曲の長さがあだとなっている。演奏はオーソドックスで現代の一流どころの演奏と変わらぬ真面目さ。後年の演奏とはちょっと緊張感が違う。同曲の旧録でスヴェトラ若き日の数少ない記録(スターリンが死んでまだ4年余り)、オケはボリショイ劇場管となっている場合もある。brilliantは包括的にライヴ表記がなされているが、リマスターが非常にしっかりなされモノラルだが残響により聴きやすく仕立てられているとはいえ、想定される原音が良すぎるので恐らく放送用スタジオ録音のお蔵か何かであろう(50年代くらいのソヴィエト録音だと特殊な再生方法が必要になり、そうなると非常に音質が上がることから、完全否定もできない)。brilliantの抱き合わせ商法は一枚頭が安いとしてもどうかというところがあり、このスヴェトラボックスもまとまった初CD化音源は少なく、再発もしくは記録データのみ違う同一音源とごちゃごちゃしたソヴィエトらしい雑曲が占めている。

スヴェトラーノフ・エディション(10枚組)


新録(全集収録)
Miaskovsky: Complete Symphonies & Orchestral Works / Evgeny Svetlanov, USSR State SO, Symphony Orchestra of the Russian Federation


単品
Myaskovsky: Symphonies Nos. 1 & 25

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