ミステリーやホラーと捉えて読むにしても、どこか物足りない。
マンションのような密集住宅ならではの人間関係や噂を軸とし、主人公一家に陰湿な嫌がらせが相次いで起こる。
それと平行して大学の先生という肩書きを失って、社会的にもうまくいかず、家庭もうまくいかず、どんどん精神的に追い込まれていくわけだが。
狂気的要素、心霊的要素、人間関係的要素等、様々な事が絡んで真相へと繋がっていく。しかしどれも不十分に感じる。
主人公の行動は現状にたいして解決的にはどうも見えない。
最終的には流れに任せるまま、原因解明に繋がるわけだが、そのクライマックスですら釈然としない。
様々な課題を著書に盛り込んだが故の、中途半端さじゃないだろうか。

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汝、隣人を愛せよ 単行本(ソフトカバー) – 2010/12/16
福澤徹三
(著)
真壁昌平は47歳の大学講師。半年前に購入した中古マンションに妻と二人暮らしだ。ある日、ポストに「静かにしろ」とのクレームの手紙が。それを皮切りに、何者かのいやがらせが頻発する。ドアの前の鳩の死骸、生ごみ、不審な足音……真壁は下に住む変人・釘宮を疑い、管理組合の理事会で訴えるが、取り合ってもらえない。次第に神経をやられていく妻。そんな最中、リストラにあいますます窮状に陥る真壁。そして住人が不審な死を遂げて…。
- 本の長さ341ページ
- 言語日本語
- 出版社徳間書店
- 発売日2010/12/16
- ISBN-104198630801
- ISBN-13978-4198630805
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登録情報
- 出版社 : 徳間書店 (2010/12/16)
- 発売日 : 2010/12/16
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 341ページ
- ISBN-10 : 4198630801
- ISBN-13 : 978-4198630805
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,631,733位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1962年、福岡県生まれ。デザイナー、コピーライター、専門学校講師を経て作家活動に入る。2008年『すじぼり』(角川文庫)で第10回大藪春彦賞を受賞。ホラー、怪談実話、クライムノベル、警察小説など幅広いジャンルで執筆。著書に『灰色の犬』『群青の魚』(光文社文庫)『そのひと皿にめぐりあうとき』(光文社)、『黒い百物語』『怖の日常』『忌談』(角川ホラー文庫)、『作家ごはん』(講談社文庫)『羊の国のイリヤ』(小学館文庫)、『死に金』『おれたちに偏差値はない』(文春文庫)など多数。『東京難民』(光文社文庫)は映画化、『白日の鴉』(光文社文庫)はテレビドラマ化、『侠飯』『Iターン』(文春文庫)はテレビドラマ化・コミック化された。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2011年1月22日に日本でレビュー済み
突然のリストラや家庭の崩壊の様子など、福澤さんらしさは作品の随所に表れているのですが、いまいち楽しめませんでした。 この作品の主人公に魅力が感じられないからでしょうか。 読んでいる側からすると、釘宮の奥さんが犯人ではないという事が序盤から察しがついてしまいます。 にもかかわらず、主人公は中盤以降まで釘宮の奥さんと熾烈なバトルを繰り返していて、読んでいる側からすると、この人何やってんだろう?となりました。 加えて、主人公が作品を通してほとんど何も行動を起こしていないのが退屈でした。やる事は職探しか、管理組合の話し合いに顔を出す程度。事件の鍵となる情報は、都合良く他者が教えてくれるだけ。 主人公おいてけぼりで、あれよあれよという間に勝手に事が進み、気が付いたら全部解決している。そんな印象でした。 心霊写真や、屋上の足音も結局幽霊とか憑依といった非科学的な物で片付けてしまう事も不満です。