東北の震度6強の余震、死者3人に 一時400万戸停電
午前11時時点、なお287万戸復旧せず
東日本大震災後、最大の余震となった震度6強の地震から一夜明けた8日、東北地方では各地で被害確認に追われた。地震で火力発電所が停止したことや送電設備の損傷などの影響で、東北地方では一時約400万戸超が停電。震災で被災した福島第1、第2原子力発電所はこの地震での異常はない。東北電力の東通原発(青森県)は原子炉を冷やす外部電源が一時途絶え、非常用電源に切り替えたが、その後、復旧した。
警察庁などによると、山形県尾花沢市の女性(63)が停電で酸素吸入器が止まったことで死亡、宮城県でも東松島市の男性(79)と石巻市の男性(85)が死亡した。
東北電力によると、7日の地震で、能代(秋田県)、秋田、八戸で火力発電所5基の運転をいったん停止。その後、別の1基と八戸火力の1基の運転を始めた。
7日の地震は日本海側も揺れが大きかったことから、発電施設に加え、送電設備などの点検が広範囲にわたった。残る4基も起動準備にとりかかっており「8日中にも運転を再開できる見通し」という。
8日午前11時現在で停電しているのは、東北6県で約287万6千戸。ほぼ全域停電しているのは青森県(約80万3千戸)、岩手県(約80万9千戸)、秋田県(約54万5千戸)。一部停電は宮城県(約68万2千戸)、福島県(約3万5千戸)。山形県内は復旧した。
警察庁のまとめで負傷者は東北6県で計132人(午前10時現在)。うち骨折などの重傷者は17人、軽傷者は115人。建物が倒壊するなどの被害も出ているという。
JR東日本によると、東北新幹線の一ノ関―新青森間と山形新幹線、秋田新幹線の上下線全線で点検のため終日運転を見合わせる。東北6県を走る在来線も一部路線を除き始発から運転を取りやめている。
高速道路は午前11時現在、東北自動車道の古川インターチェンジ(IC)―水沢IC間の上下線、三陸自動車道の仙台港北IC―鳴瀬奥松島IC間の上下線などで通行止めとなっている。
宮城県では8日午前10時現在で、仙台市ガス局の供給エリア内で、東日本大震災後にいったん復旧した5643戸で再びガスが止まった。もともと復旧していなかった分と合わせると13万戸以上で供給が止まっている。石巻市や女川町でもガスが全域で止まった。