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This article was written on 25 9月 2011, and is filled under インタビュー記事累計, 岩瀬大輔氏.

学生の本分×岩瀬大輔氏(1)


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学生の本分×岩瀬大輔氏(1)

岩瀬大輔

ライフネット生命保険株式会社 代表取締役副社長
大学在学中に司法試験合格、1998年東京大学法学部卒。

BCGにて2年間在籍した後、ICG日本法人立ち上げを経て、リップルウッド・ジャパンにて企業買収や事業再生に携わる。2006年ハーバード大学経営大学院修了、同校では上位5%の成績優秀者であるBaker Scholarに選ばれる。日本人では4人目の功績。2006年にライフネット生命保険の設立に参画。

世界経済フォーラム(ダボス会議)「ヤング・グローバル・リーダーズ2010」選出。
ライフネットHP:http://www.lifenet-seimei.co.jp/
著書:「入社1年目の教科書」「ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて」「132億円集めたビジネスプラン

学生のうちにしかできないこと

「学生起業に対してはいろんな考え方があると思います。けど、僕はどちらかというと反対。学生のうちは、学生のうちしかできないことをやるべきじゃないかなあ、と思っています。それは学問だったり、読書だったり、旅だったり…」

様々なキャリアを見てきた岩瀬氏。学生で起業することに対して懸念を示した。

「ビジネスって大学を卒業したら嫌でもすることになる。30~50年やるわけじゃない?でも、学生時代って二度と戻ってこない」

MBAを取るために留学等しない限り、学生には戻れない。

「学生は社会人になったら絶対にやれないことをやったほうがいい。学生には時間が大量にある。語学を勉強することも、本を読むことも、旅をすることも自分の世界を広げることができる」

氏の学生時代はどうだったのだろう。

「僕は法学部で法律をディープに勉強していた。自分の専門分野を磨くことは直接役に立つわけじゃないんだけど、アカデミズムってこんなものなんだと触れることができる」

氏も学生時代にしかできないと思い、学問に励んでいた。これが今のビジネスになんらかの形でつながっているという。

「まあ、このブログが取材した方々は『是非やったほうがいいよ』と言ってるので、敢えてバランスを取る意味で反対と言ってる、っていうのも少しあります(笑)」

司法試験に通っても行かなかった理由

1994年、氏は東京大学に入学し、在学中に司法試験に合格した。

「僕は学生時代に司法試験に通ったけど、法律の道に進もうとは思いませんでした」

卒業後はBCGへ就職をした。なぜ、就職の道を選んだのか。

「そもそも、社会人40年やるとして、その前の2,3年でちょろっとやったことを一生やる必要ないよね。例えば、小学校3年生のときにたまたま入ったサッカークラブに影響を受けて一生サッカーをやる必要がないのと同じで、法律家にはならずにBCGへ就職しました」

その後、BCGの先輩に誘われ、2000年にICGに転職。ここでは、日本法人立ち上げに関わった。しかし、ネットバブルが崩壊しICGは日本から撤退したため、同年にリップルウッドに転職。様々なキャリアを経験した後、2004年からはHBS(ハーバードビジネススクール)に留学した。

「留学中に『起業したい!』って思うようになったキッカケはハーバードに留学中に持っていったグロービス堀義人氏の本。その本には、アメリカのビジネススクールだと起業する奴が一番かっこいいと思われ、逆に、大企業や官庁に務める人はリスクを取っていない!って内容のことが書いてありました。ここで、自分もやってやろうと思った」

帰国後にはライフネットの前身であるネットライフ企画を立ち上げ、本格的に起業に乗り出した。

「あとは、周りでベンチャーを立ち上げていた人たちが多かったのも起業を考えた理由として大きいかな。それから、谷家さんと出会ったことが一番直接的なキッカケですね。もし彼に出会ってなかったらたぶんこの形ではやってなかったと思う」

学生起業は先輩に聞け!

「学生で起業するなら、先輩起業家に相談することは絶対に必要です。特に、大きな意思決定をするときには」

大きな意思決定とはどういったものなのだろうか。

「例えば、こないだ大学院生たちが起業するって言って当社に遊びに来たんですが。彼らは5人で400万の自己資金を持っていた。で、そこに大学の教授が200万出したいと言ったみたいで、教授はきっと応援したいから善意で申し出たと思うんだけど、それってよく考えると教授に3分の1も株をあげることになるよね。僕はそこでストップと言った」

そのまま出資してもらえば、教授が株式の3分の1を占めることになる。かと言って、何も経営に口を出してくることはないだろう。

「たまたま、僕と会ったので、彼らにこう教えてあげました。まずは400万でいけるところまで行ってみろと。頑張って企業価値を高めてから増資っていう形で出資してもらうべきだと」

これは磯崎氏も仰っていたが、最初の段階で決めると後戻りのできない意思決定だ。

「もちろん、マーケティングやwebデザインとかは試行錯誤してみればいいと思うんだけど、会社の資本制度とか機関設計とか会社骨格に関わる部分は、やり直しがきかない部分があるので、時間をかけて慎重に意思決定すべきだと思う」

誰と仕事をするか

「あと、気をつけるべきなのは仲間。ライフネットは、こんな人と働けたらうまく行くだろうな、楽しいだろうな、といったフィーリングも重視し採用しています。自分で企業風土を作っていけることはとっても幸せなこと」

今の社員と仕事をしていて恵まれていると感じているそうだ。会議室の外で働く会社員の方々を見てもイキイキとして仕事をしている。

「以前、BCGで一緒に働いていた人たちはすごくイキイキとしていました。とても頭もいいし、人間の温かさがあって…とにかく一緒に働いていて楽しいんですよね。すごく刺激的でした」

氏がHBSから帰ってきた頃は、自分が社長になって会社を作りたいという思いがあった。しかし、谷家氏に紹介してもらった出口氏のもとで副社長として働きたいと思ったそうだ。

「出口と仕事をしているときや社員と仕事をするときは心から楽しいと思えます。どうやって組織をモチベートさせるのかってよく聞かれるんですが、一緒に働いて楽しい社員がいること自体が勝手にモチベートされるんですよ」

(文 両角@ryokado)

続きはこちら→起業の楽しさ×岩瀬大輔氏(2)

 

 


 
 

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