実は、私も一時期家を買わされたことがあり、非常に苦い思い出なんですが(買いたくなかったので)、離婚したのでさっさと売りました。

昨今の金融危機の元凶になったといわれているサブプライムローン問題ですが、これは本来、家を買うほどの年収が無い人たち向けに高金利で組ませたローンが元になってます。まあ、実質、家を担保にとった消費者金融の貸出債権のようなもんですが。

しかも悪いことに住宅価格が(実際は売れないのにもかかわらず)、あがってしまって、担保価値が上がったので、さらにローンを組ませ、住宅以外の用途にもつかっちゃった(まさに消費者金融ですな)みたいな感じになって、お決まりの破綻になったわけです。

と、まあそれほどまでになんで、マイホームがほしいのか?

それが私の強い!疑問なわけです。

これまでの、私の住宅遍歴は、
実家(福岡県)-> 大学寮(目黒区) -> 2DKマンション(文京区) -> 1DKマンション(中央区) -> 2DKマンション(目黒区) -> 3DKマンション(目黒区) -> 3DKマンション(世田谷区) -> 一軒家(世田谷区) -> 3DKマンション(港区)

都合8回も引越ししているわけですが、賃貸だと引越しがしやすいです。

よく、マイホームを買いたい人たちは、毎月賃貸料払っても自分のものにならないなんて、勿体無いっておっしゃいますが、一軒家も分譲マンションも、毎月の固定資産税や、メンテナンス費用がかかるはずです。特に老朽化してくると、建て替え費用やリフォーム費用がかかります。最近の分譲マンションは積み立てをきちんとしているみたいですが、一軒家でリフォーム費用を積み立てている人はあまりいないとおもいます。

また、マイホームは資産になると考える方も多くいらっしゃいます。
日本の住宅バブルやサブプライム問題を体験して、よく分かられたと思いますが、住宅の値段はバブル的にあがることはあっても、未来永劫あがり続けることはありません。投資の商品としては、売りたい時にすぐに売れない、流動性の低い、価格のボラタリティ(変動性)の非常に高い、リスクの高い商品です。

投資のプロならまだしも(プロも最近、相当やられていますが)、素人が手を出すべきものでは、私はないと思います。

あと、自分好みの部屋にしたいとか、特別な仕様にしたいという人は沢山いますね。
まあ、たしかにそれはなかなか賃貸だと難しい場合も多いですね。
でも、それにしては、最低でも数千万円は高すぎる!
部屋なんか寝るだけ!って割り切って旅行とかに金掛けるってのもありなのかな、と私なんかは思ってしまいます。いろんなタイプの宿に泊まれますし、海外とかでは一軒家を借り切れるサービスもありますよね。

最近、さらに思うのは防犯の意味でも一軒家は怖いなってことです。
オートロックで警備員常駐のマンションでも殺人事件が起こったりしていますが、一軒家はさらに怖い気がします。周りが真っ暗だったりすると特に。新参者は近所付き合いも面倒ですよね。

でも田舎だとなかなか住むところが限られて、一軒家でないと家族は住みにくいっていうのもあるのかもしれませんね。沖縄の離島とかだと、過疎化が進んでいて、タダに近い値段で借りられたりするみたいですが。


でも私の結論は、買うより借りろです。
何十年ものローンに縛られて、数千万円の買い物をしたところで、安心を買えると思い込んでいても、ローンが払えなくなったら差し押さえられますし、数千万円の価値は、特に土地以外の上物部分はすぐに毀損してしまいます。

それよりも、そのお金を目先のことに使ったほうが人生、何倍も楽しめるとおもうんですがね。

追記:サブプライムローンほど過激ではありませんが、日本の住宅ローンも似たようなものです。例えば、年収500万程度で、本来ならば数千万円のローンを組めるはずがありません。政府の政策でローンで買った住宅を担保に入れたら、比較的低金利で住宅を買えるように無理やりしているだけです。

実際には、それだけの担保価値がその住宅にあるかといえば、サブプライムローンの米国の一軒家と同じで、見かけ上価値はあるように見えますが、実際にはすぐに現金化できるわけではありませんから(というか売れないかもしれない)。

つまり担保があるようで、実はない。サブプライムローンほど大規模に、しかも金利を高めに設定して、低所得者層にまで買わせるほどアコギではありませんが、本来なら買えない層に買わせているという点では同じです。

そうすることによって、銀行は住宅を人質にとって、何十年も安定した金利収入を享受することができ、住宅建設業者、並びにその関連業界が潤うわけです。それによってGDPもあがります。まあ、政府の政策ですし、それで世の中うまく行っていたわけですから、特に私は問題ないんですが、住宅を買う人自体は実は損をしていて、その分が銀行とか住宅業界の利益になっている構造は理解しといたほうがいいと思います。

さらに追記:住宅ローンには、支払い者の死後ローンを払わなくてよくなる特約があるようですが、それを団体信用保険というそうです。つまり、これは生命保険で、だったら、生命保険に個別で入ったほうがおそらく、お得です。そもそも遺族もそのうちにずっとすみたい場合もあれば、それを機に移り住みたいと考える場合もありますよね。その選択は自由にさせるべきだと思います(ちょっとさびしいはなしですがね)。

そもそも、生命保険というもの自体、私は正直、あまり好きではありませんし、加入してもいません。
まあ、前の会社のときは商売上のお付き合いも多かったので、声高には言いませんでしたけど。
先日も大和生命保険潰れましたけど、生命保険ってどうやって成り立っているのか知らない人多いんですね。びっくりしました。会社によって違いますけど、銀行の預金よりも資産運用の自由度が高いので、結構リスクの高い金融商品で運用して、保険金の原資に充てますから、今回のサブプライムショックとか、まじヤバイです。運用資産がかなり痛んでいるはずです。

まあ、私は家族に遺産とか残すつもりはなく、それくらいだったら全部使うか寄付するつもりですから、もともと生命保険の対象顧客ではないのですが、若くして、それも30代とか40代で、死んでしまう場合以外に、生命保険のメリットはあまり無いでしょう。遺産にすべく財産形成を考えるならば、それこそ先日紹介した、もろへいや氏の投信とか、そういうのを生命保険にまわす金で買ったほうがよっぽどよいです。生命保険会社は、メガ投信のようなものですからね。市場で大きくなりすぎた鯨のようです。

老後、追い出されてしまうのではないか、みたいな懸念もありましたが、それこそ政府の政策の問題です。そんなことを心配しないでいいように、政府に対してもっと意見を言いましょう。賃貸に住まないで、大枚をはたいて持ち家を持たないと、老後ホームレスになる国なんてひどいとおもいませんか?

それでも老後家賃が払えなくなる心配があるのであれば、家を買わずに、お金をためる、資産運用をするほうがよっぽどよいです。家を買うにもどうせ、頭金が必要です。それを原資に資産運用おすすめです。