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牧さんと両界曼荼羅。手前が胎蔵曼荼羅、奥が金剛界曼荼羅 |
岩出市根来の画僧・牧宥恵(まき・ゆうけい)さん(61)が8年前から取り組んでいた両界曼荼羅(りょうかいまんだら)が完成し、27、28の両日、牧さんの画房で一般公開される。4月に額装に出され、その後は東京都立川市の真言宗智山派正楽院本堂に掲げられるため、和歌山で見られる最初で最後の機会となる。牧さんは、「混迷を深める現代にあって、心のありようはなお一層、問われ続けるものと思います。ぜひこの機会に1871体の仏様に出会ってください」と話している。
両界曼荼羅は言葉だけでは伝えることのできない真言密教の真理や悟りの境地を視覚的に表現するもので、「胎蔵(たいぞう)曼荼羅」と「金剛界曼荼羅」両部からなる。空海が唐から持ち帰ったもの(現存せず)を原本に描き続けられてきた。
牧さんが制作した同曼荼羅はそれぞれ縦3メートル×横2・5メートルで、平成に入り全国で3例目の大きさ。1871体の仏やハス、沙羅双樹(さらそうじゅ)、ボタンなどを伝統にのっとった構成で繊細に描き、透明水彩の深みある抑えた色彩と仏の表情に牧さんらしさを出したという。
牧さんは、「連綿と1200年続く弘法大師御請来(ごしょうらい)の両界曼荼羅、しかも仏画師にとって夢である両界曼荼羅を、大師ゆかりの地で描き終えたことは望外の喜びです」とし、「時間の底に流れる伝統の技と教えを知ってもらえれば」と話している。
お披露目は午前10時から午後4時。画房は根来寺境内不動堂横。問い合わせは牧さん(TEL0736・62・6000)。
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