「できること」を増やす

投稿者: | 2008-10-16

「地域通貨を構想する」というエントリで、地域通貨の利用場面の一つとして「地域内での助け合い」を挙げました。

地域通貨についての言説では、助け合いにおいて人々が提供するスキルや労力は「所与」とされることが多いように思います。私に言わせればそれは静的なんであって、地域通貨というシステムをきっかけに、人々が「できること」を増やすという視点は欠かせないと思います。

人々が「できること」を増やしていけば、地域通貨を通じて得られるサービスの質・量がアップします。そのことは地域通貨の魅力を高め、ひいては利用者増大にもつながるでしょう。こうした好循環のサイクルは、地域通貨が長期に存続し、成功を収めるには不可欠です。

「できること」を増やすのは、個人にはどんなメリットがあるでしょうか。地域通貨システム内での価値が上がる。経験の幅が広がる。履歴書やプロフィールが豊かになる。それ自体が、楽しい。

「できること」を増やすためには授業料が必要となるかもしれませんが、他人に労力やスキル、知識を提供することで、経済的にも心理的にも「お釣りが来る」んじゃないでしょうか。

現代の社会では、人が対価を得る労働というのは通常一つです。でも「百姓」という言葉の来歴を考えれば分かるように、それは人類にとって普遍的でも当たり前でもないんですね。地域通貨を通じて、人々が社会や他人の役に立ち、いくらかの対価を得る。それこそが当たり前になる世の中を切望します。

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