ICカード乗車券といえば、2月11日から名古屋圏の私鉄・公営交通の共通カードmanaca(マナカ)のサービスが開始された。現在利用可能な加盟社局は、名古屋鉄道・名鉄バス・名古屋市交通局・名古屋臨海高速鉄道・名古屋ガイドウェイバス・豊橋鉄道の6社局である。JR東海のTOICAとは、2012年春相互利用が開始される予定である。
名鉄グループと名古屋市交通局の約款がウェブに掲載されている。名鉄のサイトには、名古屋鉄道・豊橋鉄道・名鉄バス各社のICカード乗車券取扱規則がmanaca取扱規則等とともに、また名古屋市の例規集には、交通局のICカード乗車券取扱規程が掲載されている。
名鉄と名古屋市営地下鉄は、各社局単独の環状線部分に加え、犬山線・鶴舞線・豊田線と小牧線・上飯田線の相互乗り入れによって、ラッチ内で乗継ぎ可能な環状線が形成されている。名鉄のICカード乗車券取扱規則は、第15条(市地下鉄線を含む区間を乗車する場合の運賃の減額)の第2項に
(前略)乗車経路が特定できない場合は、実際に乗車した経路と異なる経路を乗車したものとみなして運賃を減額することがある。
とされているだけで、最低廉経路による運賃減算の規定はない*1。また、PASMOの約款第13条第2項の
当社の駅発着となる場合で、当該発着区間内に他のIC鉄道事業者を含む場合であっても、特に認めた場合を除き、全線当社を使用したものとみなして、片道普通旅客運賃を収受する。
の対応規定もない。他社線を経由する大回り乗車を排除するのが目的かもしれないが、規定しなくても、豊田市・犬山間を乗車する場合、直通の地下鉄線経由の1260円ではなく、全線名鉄経由で、低廉運賃の1230円を減算するしかないだろう。