節電Q&A 関東・東北は「義務」、関西では「お願い」
余力3%未満で政府が「警報」
7月1日から始まる節電要請はどのようなものか、まとめた。
節電でこう変わる | |
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東京電力管内(関東地方と静岡県東部)、東北電力管内(東北地方と新潟県) | 家庭や企業に15%の節電要請。大口需要家は法律に基づく電力使用制限。一部業種を除く |
関西 | 強制力はないが企業や家庭に15%の節電要請 |
九州、中部、北陸 | 企業や家庭に自主的な節電要請(数値目標はなし) |
北海道、中国、四国、沖縄 | 節電要請なし |
Q どの程度の節電が必要になるのか。
A 東京電力と東北電力の管内では契約電力が500キロワット以上の大口需要家に対し、法律に基づいた電力制限が実施される。ピーク時に前年に比べて15%を削減する必要がある。一般の家庭や中小企業でも前年に比べて15%の節電が目標になるが、強制力はない。
関西電力は15%の自主的な節電を要請している。中部電力や九州電力、北陸電力でも数値目標を定めずに節電を要請している。
Q 東電、東北電管内での節電期間や罰則規定は。
家庭でできる主な節電対策 | ||
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節電の 対象 | 対 策 | 電力 消費の 削減率 |
エアコン | 冷房の設定温度を従来よりセ氏2度上げる | 10% |
冷蔵庫 | 設定を「強」から「中」に変え、扉を開ける時間をできるだけ減らし、食品をつめこまないようにする | 2% |
照明 | 日中は消灯して、夜間も照明をできるだけ減らす | 5% |
炊飯器 | 早朝に1日分をまとめて炊いて、冷蔵庫に保存 | 2% |
テレビ | 省エネモードに設定して、視聴時間を3分の2に短縮 | 2% |
家電製品の待機電力 | 本体の主電源を切り、長時間使わない機器はコンセントを抜く | 2% |
A 平日の午前9時から午後8時までが対象で東電管内が9月22日、東北電管内が9月9日まで。大口需要家には電気事業法に基づく「電力使用制限令」を発動。違反者には100万円以下の罰金を科す。
ただ救急病院や東日本大震災の被災地の公共施設は適用除外。データセンターや半導体工場、冷蔵倉庫などでは制限が緩和される。
Q 夜ならば電気を使っても大丈夫か。
A 一般的に夜は昼間に比べて大幅に電力需要が少なく、需給が逼迫する可能性は乏しい。ただ今年は夜間の電気を使って水力発電所の稼働を準備する予定で、夜も一定の需要がある。資源エネルギー庁は「1日を通じた節電を心がけてほしい」としている。
Q 需給が逼迫するとどうなるのか。
A 東電、東北電は7月から詳細な電気の使用状況を自社のホームページなどで知らせる。翌日の供給予備率が3%を切る可能性がある場合に、夕方に政府が「需給逼迫警報」を発令して、記者会見などで通知する。翌日になっても需給状況が改善しない場合に、電力会社が2時間前までに計画停電を実施するかどうかを知らせる。
当日突然電力需要が上昇して予備率が3%を切った場合も、政府が警報を出す。東電では「計画停電は原則として避けたい」としている。
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