素晴らしいイノベーションはアイディアから生まれる
ブレインストーミングによるアイディア創出
「発想する会社!」を読んでアップルやペプシ、P&G等のデザインを手がけるデザインコンサルティング会社IDEOの仕事術を学んだ。その中で同社が実践しているブレインストーミングの手法が素晴らしかったのでまとめてみたいと思う。
IDEOが実践している7つの方法
IDEOではブレインストーミン(ブレスト)をほぼ毎日、宗教のようにやっているらしい。ブレストは多くの企業で取り入れられているが、上手にやらないと時間の浪費になるだけの場合も多い。しかしだからといって一人でアイディアを考えるのは、大勢でアイディアを出し合う効率にかなうはずは無い。IDEOではブレストに7つの秘訣を見いだしているようだ。
1◆焦点を明確にする
ブレストは焦点を絞ったテーマの提示から始まる。あまり限定し過ぎず、また、特定の顧客のニーズやサービスに焦点をおいた外向のテーマがよい。例えば、「どうしたら怪盗ロワイヤルを超えるゲームを作れるか」ではなく、「今までソーシャルアプリを利用していなかったユーザーにうけるゲームは何か」のようなテーマだろう。
2◆遊び心のあるルール
会議室の壁に遊び心のあるルールを書く。でっかい文字で「質より量だ!」とか「思い切りの良さで勝負しよう」などのようなルールを書けば、アイディアを批判したり論争を仕掛ける輩を上手くかわすことが出来る。進行役はこの巨大なルールを見て常に思い出すことが出来る。
3◆アイディアを数える
1時間に100アイディア、素朴な方法だが効果的らしい。IDEOでは、この手法を発見するのに10年かかったそうだ。アイディアの質は勿論重要だが、質の高いアイディアは多くのアイディアの中から誕生する。
4◆力を蓄積し、ジャンプする
アイディアはパワーである。パワーは蓄積したら、それを利用して次のステップにジャンプするような進行がブレストには必要だ。例えば、新しいユーザーはテレビと連動がキーポイントだというアイディアが出ていて、議論の流れが衰えてきたら、では実際にテレビと連動したゲームとはどの様なゲームがあるだろうか等と議論をジャンプさせる。新しいアイディアを促したり、前に進んだり戻ったりしながらアイディアを積み上げて行く様な進行を行い、ブレストのエネルギーを持続させる。
5◆場所は記憶を呼び覚ます
物事は空間的に捕えるとその時の記憶を呼び覚ましやすくなる。部屋中に紙を貼って進行役がアイディアを筆記したり、ポストイットを貼って整理していく。全員が全体の流れを空間的に捕らえられるようにする。力を蓄積したり、ジャンプしたりする過程で、空間が記憶力の呼び覚ましに役に立ち、アイディアの創出を加速させる。
6◆精神の筋肉をストレッチする
特に初めてのメンバーでのブレストや、久しぶりのブレストの場合、またメンバーの気が他のプロジェクトで散っている場合、テンポの早い言葉遊び等をして、チームをもっと外向の雰囲気にするとよい。他にもあらかじめ現地調査等の宿題を用意する等も良い。
7◆体を使う
図表、グラフ、壁一面ポストイットを超えて、さらに体を動かす。二次元から三次元に、有り合わせの素材でとにかくプロトタイプを作ってみる。ボディーストリーミングをしよう。
7つの秘訣でブレストを加速させよう
IDEOが使うこの7つの秘訣を使えば、きっと自社のブレストも活気溢れるものになり、チームが熱狂的に仕事が出来るようになるのでは無いか?気の重い会議ではなく、終わる頃には皆が以前より楽しい気分で部屋を出ていく、そんなブレインストーミングがイノベーションを産むのだろう。
発想する会社!
今回読んだこの「発想する会社!」はブレスト以外にも素晴らしい内容が盛りだくさんだ。脱官僚主義、トップダウンではなくボトムアップ式の組織構築論がIDEO独自の目線で書かれている。会社でペットを飼ったり、自転車を天井からぶら下げたり、自分のエリアを玩具で埋め尽くすなど、読んでいるだけでワクワクする内容だ。是非読んでみて欲しい。
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