「いやー、昨日は資料づくりでカンテツだよ~」、「気がついたら、朝まで盛り上がっちゃってさ~」など、睡眠不足をちょっと自慢気に話す人々は少なくありませんが、実は、仕事をするうえで、睡眠不足は酒酔いと同じくらい深刻な影響を与えるらしいのです。

米誌「ナショナル ジオグラフィック」のある記事では、ビジネス現場はもちろん、総じて文化そのものが、睡眠について軽く捉えすぎていると指摘。睡眠不足は、集中力や決断力を要する仕事に重大な影響を与えると述べています。

 その悲惨な例が、2009年2月12日に米ニュージャージー州ニューアークで発生したコンチネンタル航空3407便の墜落事故。搭乗者49名全員と地上にいた1名の尊い命が、犠牲になりました。事故原因を調査したところ、パイロットの睡眠不足が事故を引き起こしたとみられ、米国家運輸安全委員会(National Transportation Safety Board)は「疲れによって操縦を誤ったと考えられる」と結論したとのこと。ハーバード大学のCharles Czeisler氏は、24時間寝ずにいる、もしくは週5時間のみの睡眠は、血中アルコール度0.1%に相当すると述べています。

極論すると、睡眠不足で会社に行くのは、酔っ払ったまま会社に行くのと同じこと。それくらい、睡眠不足は、集中力や判断力を損なわせ、最悪の場合、重大な失敗やミスを引き起こすこともありうるということを、認識したほうがよさそうですね。睡眠不足防止術としては、「夜更かし防止に『Bedtime Help』」や「寝室への持込厳禁!? おやすみ前の携帯端末が快眠を妨げるらしい」などもあわせて参考にしてみてください。

Secrets of Sleep [National Geographic Magazine via TMBLG]

Kevin Purdy(原文/訳:松岡由希子)